SSDでプライベートクラウドの“迷惑な隣人”問題を解決する方法Google Cloud Platformのメカニズムに学ぶ(1/2 ページ)

共有環境のクラウドではストレージのパフォーマンスが悪化する懸念がある。本稿では、プライベートクラウドでストレージ速度を保つためのノウハウとして、SSDやインメモリ技術などの活用を紹介する。

2016年07月05日 15時00分 公開
[Jim O'ReillyTechTarget]
Cephのメリット/デメリット(参照:OpenStackのブロックストレージ「Cinder」の押さえておきたい機能)《クリックで拡大》

 何であれ共有するというのは立派なことだが、プライベートクラウドストレージの場合、共有がパフォーマンスに悪影響を及ぼす恐れがある。必要な速度を得るには、SSDや、最新のネットワーク技術を検討する必要がある。

 俊敏性、柔軟性、経費ベースの価格モデルといったメリットを提供するプライベートクラウドだが、ストレージに関連したパフォーマンスでは問題になることもある。プライベートクラウドの管理者は、その仕組みを理解し、ストレージパフォーマンスの低下を招かないようにする必要がある。

 プライベートクラウドのストレージは、組織内の全てのユーザーが共有できる。これが可能なのは、ストレージがネットワークにつながっていることに加え、データセンターの構成によっては、ストレージがサーバのインスタンスから幾ばくか離れている場合があるからだ。ネットワークとプロトコルに起因する遅延(レイテンシ)は利用可能な帯域を減少させる。だが、プライベートクラウドのストレージのパフォーマンスに最も大きな影響を及ぼすのは、ストレージファームを共有するという事実だ。今日でもクラウド環境における主要なストレージ形態はHDDだ。個々のHDDのパフォーマンスは、その容量にかかわらず150 IOPS(1秒間当たりのI/O処理数)程度だ。今日、企業が導入するHDDの容量は4TB前後だ。これは、3年前と比べて1TB当たりのIOPSが4分の1になったことを意味する。言い換えれば、ストレージの速度が低下しているということだ。

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