拡大するAWSの産業別施策
AWSが次に目を付けたのは「ゲーム市場」、コンテンツ制作や運用をクラウドで効率化
AWSが「Amazon Lumberyard」でゲーミング市場に進出した。AWSの今後の成長は、産業別の進出拡大にかかっているかもしれない。
Amazon Web Services(Amazon)は3Dゲームエンジン「Amazon Lumberyard」をリリースし、動きの速いゲーム市場への進出を果たした。ゲーム開発者はLumberyardによって、開発するゲームをクラウドサービス「Amazon Web Services」(AWS)のリソースに接続できる。今回ゲーム市場に狙いを定めたAmazonは、次の成長に向けて他にどの分野を目標とするのか。
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Amazonは既にパブリッククラウドの分野で独占的な立場にあり、メディアやエンターテインメント、研究開発、ヘルスケアなど幅広い潜在市場に適合している。同社はしばらく前からメディアとエンターテインメントに照準を当て、既にAWS上にデジタルメディアのサービスポートフォリオを確立済みだ。AWSは、ストリーミング配信や大容量ストレージといったサービスを改善するのと同様に、ゲームコンテンツを取り込むサービスも独自にもしくはサプライチェーンを通じて成長させ続けている。
これらのサービスは、企業がメディアやエンターテインメントを配信する方法に革新をもたらし得る。これらの事業では、コンテンツの制作、編集、保存だけでなく、同じプラットフォームでコンテンツを仲介する手段としてもパブリッククラウドを利用できる。従来のように配給業者の方が、はるかに取り分が大きくなる事態を避け、収益の大部分を制作者に戻すことによって、質の高いドキュメンタリーの製作費を半分にできる可能性もある。Amazon.comの販売サイトでの自費出版が出版業界を変えたように、動画制作や運用、配信の分野でも同じことが起きるかもしれない。
研究開発の焦点は、処理能力とストレージを提供するサービスが中心となる。高性能コンピューティング(HPC)システムは、ほとんどの研究開発部門にとって手が届かない存在だが、AWSのHPCサービスを利用すれば、限られた助成金を使って予算の範囲内でもっと多くのことができる。
AWSは確かにHPCサービスを提供しているが、そうしたサービスを研究開発市場の中心に浸透させるには、ビッグデータサービスをパッケージサービスに盛り込む必要がある。このアイデアのポイントは、サービスを1カ所に全てまとめて提供することにある。
AWSは既にヘルスケア市場での成長を遂げているが、高度な分析や機械学習のサービスを同社が提供することもあり得る。そうしたオールインワン方式のサービスを提供すれば、医療機関が分析ツールを機械学習システムと組み合わせ、システム内のデータに基づいて最も確率の高い診断を出すことが可能になる。
例えば血液検査結果、ウェアラブル端末で記録したデータ、膨大な量の診断記録や過去の実態を示すデータを基に、患者が90日以内に発作を起こす可能性をシステムで自動的に診断することもできる。このシステムを使えば、小規模の医療機関でも市場で競争力を持つことができ、患者が受けられる診療の質も均等化する。コストも大幅に削減できるはずだ。
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