IBMはクラウドコンピューティング計画を順調に進めているようだが、個別業務部門への訴求という点では前途多難なようだ。
クラウドコンピューティングの将来予測においては、IBMという名前が必ずしも最初に思い浮かぶわけではない。広範な市場認知をめぐる戦いでは、IBMは「Amazon Web Services」(AWS)と「Microsoft Azure」(Azure)に後れを取っている。だがクラウドコンピューティングが進化する中、IBMが重要なプレーヤー、あるいは最強のプレーヤーになる展開もあり得る。とはいえIBMのクラウド戦略を見る限り、克服すべき問題や弱点がまだ残されている。
企業向けコンピューティング市場をリードするIBMにとって、パブリッククラウドサービスは同社の収益を左右する可能性がある。クラウドがオンプレミスに取って代わることになれば、IBMのハードウェアの売り上げが減少するだろう。だがクラウドによってアプリケーションの開発手法が一変すれば、IBMはパブリッククラウドの販売や、データセンター技術を活用してこれらのサービスをハイブリッド化することによって利益を得ることができる。この展開は、ここ数年、売り上げ減少に悩むIBMにとって新たな収益機会につながる可能性がある。
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