課題はマーケティングとWebサービス
IBMクラウドがAWSとAzureに対抗するための“2つのチャレンジ”とは(1/2 ページ)
IBMはクラウドコンピューティング計画を順調に進めているようだが、個別業務部門への訴求という点では前途多難なようだ。
クラウドコンピューティングの将来予測においては、IBMという名前が必ずしも最初に思い浮かぶわけではない。広範な市場認知をめぐる戦いでは、IBMは「Amazon Web Services」(AWS)と「Microsoft Azure」(Azure)に後れを取っている。だがクラウドコンピューティングが進化する中、IBMが重要なプレーヤー、あるいは最強のプレーヤーになる展開もあり得る。とはいえIBMのクラウド戦略を見る限り、克服すべき問題や弱点がまだ残されている。
企業向けコンピューティング市場をリードするIBMにとって、パブリッククラウドサービスは同社の収益を左右する可能性がある。クラウドがオンプレミスに取って代わることになれば、IBMのハードウェアの売り上げが減少するだろう。だがクラウドによってアプリケーションの開発手法が一変すれば、IBMはパブリッククラウドの販売や、データセンター技術を活用してこれらのサービスをハイブリッド化することによって利益を得ることができる。この展開は、ここ数年、売り上げ減少に悩むIBMにとって新たな収益機会につながる可能性がある。
クラウド ナビ
IBMのクラウド戦略とは
IBMのクラウド戦略の要となるのは、同社のクラウドが、データセンターとパブリッククラウドの両方を通じて利用できるという点だ。クラウドはアプリケーションの開発と実行のモデルであり、IBMは全てのクラウドサービスのターゲットとして、同社の従来の顧客であるITプロフェッショナルだけでなく、企業の個別業務部門や運用部門にも狙いを定めている。
IBMはこのアプローチを支えるべく、クラウド専用のプロフェッショナルサービスとクラウド対応のミドルウェアツールを結合した。これらのミドルウェアには、ネットワークやデータベース、セキュリティ、コンプライアンス用のツールが含まれる。見込み客がクラウドと従来型ITインフラの連係に苦労しなくても済むようにするのが同社の狙いだ。さらにIBMは、クラウドをマネージドサービスとして提供する考えだ。これにはプライベートとパブリックの両クラウドサービスが含まれる可能性がある。
SoftLayer/Bluemixの役割
IBMは、「Bluemix」という同社のブランドに自社のパブリッククラウドである「SoftLayer」を吸収する方針だ。同社のパブリッククラウドとメインストリームソフトウェアの統合をさらに進めるのが狙いだ。この方針は、SoftLayerが独立したブランドになっていることが、IBMの顧客営業チームの大手企業に対する影響力を弱めるとともに、IBMのメッセージを分かりにくくしているという批判を受けて打ち出されたようだ。
IBMの顧客営業チームが顧客企業のITサイドからクラウドの普及を推進できる場合は、IBMのクラウド製品群を通じてBluemixをベースとしたハイブリッド方式の採用を顧客に促す形となるだろう。IBMの販売活動の主要なターゲットは依然としてITサイドにあるため、このアプローチでは同社のデータセンターの売り上げとの競合を避けられる。
一方、個別業務部門がクラウドの導入を推進している企業では、各部門のシャドーITがIBMを避ける可能性がある。この場合は、パブリッククラウドのBluemixをIBMのメインストリーム製品群から切り離せば、IBMが顧客企業の社内IT部門の代理人と思われる心配がなくなる。
だがIBMがこのアプローチによって「個別業務部門 vs. IT部門」あるいは「パブリッククラウド vs.データセンター」という対立を解消するのは難しそうだ。この対立は2つの側面で現れるだろう。すなわち、AWSおよびAzureの両クラウドサービスと比べた場合のパブリッククラウドのBluemixのWebサービスレパートリーという側面、そしてクラウドマーケティングという側面だ。
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