製薬企業のIT部門は販促活動の環境変化に備えよ――知っておくべき技術トレンドライフサイエンス企業のCIOが描く成長戦略【第1回】(1/3 ページ)

専門性の高い情報を扱い、医薬品の適正使用を促すサイクルを構築するMR(医薬情報担当者)の業務には、データ分析やデジタルマーケティング技術の活用が大きな効果をもたらす可能性がある。

2016年11月28日 09時00分 公開
[住田 真一郎アイ・エム・エス・ジャパン]

連載について

本連載では「ライフサイエンス企業におけるITの現状と課題」をテーマに、ライフサイエンス企業の中でも特に製薬業界でのIT事情を解説する。初回の全体像の紹介に続き、「制約された環境下におけるプロモーション」「情報プラットフォーム」「CIO(最高情報責任者)やIT部門の役割と展望」と全4回の連載で各項目を解説する。


 テクノロジーの急速かつ継続的な発展のために、企業のIT部門は自社に革新性と効率性を提供するというプレッシャーにさらされている。モバイル、クラウド、人工知能、その他の新しいテクノロジーの革新が、今や企業の新たな競争を引き起こしている。こうした中、IT部門には新たな専門知識とスキルが必要とされている。テクノロジーのイノベーションを効果的に活用するために、組織は戦略面、経営面の両方で変革が必須であり、同時に費用削減によって企業としての収益性も確保しなくてはならない。

 ライフサイエンス業界の中心的存在である製薬企業は既に、新たなITの活用を模索し始めている。その一方でエレクトロニクス企業やITベンチャーは、圧倒的な技術力を武器にライフサイエンスという新しいマーケットに参入しつつある。世界でいち早く高齢社会に突入した日本で、その解決策をITに求めブルーオーシャン(未開拓の新たなマーケット)に多くの企業が飛び込んでいるようにも見受けられる。

 本連載ではライフサイエンス業界の特徴や実情に触れながら、同業界のCIO(最高情報責任者)やIT部門が直面するチャレンジについて解説する。

医薬品の特殊性

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