DellのVDI向けオールフラッシュストレージ、XtremIOとUnityを比較選択の基準はデスクトップ端末の数

Dell EMCは、VDIを導入する企業向けにオールフラッシュストレージのオプションを2つ用意している。1つはデスクトップ端末の導入数が500台未満の企業向け、もう1つはそれ以上の台数を導入する企業向けだ。

2017年09月27日 05時00分 公開
[Robert SheldonTechTarget]
Dell EMC UnityのWebサイト《クリックで拡大》

 オールフラッシュストレージを検討する1番の理由に挙げられるのが、仮想デスクトップインフラ(VDI)だ。VDIは高速ストレージを必要とする。それも大量にだ。

 Dellは、VDI向けオールフラッシュストレージとして、「Dell EMC Unity」と「Dell EMC XtremIO X2」の2種類を販売する。Unityは中小企業向け、XtremIOはVDIを大規模導入する企業向けのストレージだ。

Unityオールフラッシュストレージ

 2016年5月、EMCはそれまでのVNXシステムに代わるストレージとしてUnityをリリースした。その数カ月後、DellがEMCを買収し、それ以降4つのオールフラッシュストレージ(Unity 350F、450F、550F、650F)を加え、Unity製品ラインを拡大してきた。これらのアレイにより高速化と効率化が進み、VNXシステムや以前のUnityモデルよりも大容量をサポートするようになっている。

 Dellが提供するUnityには4つの形式がある。1つは物理プラットフォーム専用だ。これは、複数のオールフラッシュドライブで構成するか、フラッシュと従来のHDDを組み合わせるハイブリッド設定で構成することができる。オールフラッシュストレージは入出力レートが高く、応答時間はサブミリ秒に収まるため、パフォーマンスは最高になる。

 2つ目は「Unity Virtual Storage Appliance(UnityVSA)」だ。これはハードウェアリソースを統合するSDS(ソフトウェア定義ストレージ)だ。UnityVSA Community Editionは無料でダウンロードして利用できる。また、より大容量を処理でき、テクニカルサポートが付属するProfessional Editionもあり、こちらはサブスクリプション方式で利用する。どちらのエディションもVMwareの「VMware ESXi」ホスト上にUnityVSAをインストールする必要がある。

 また、コンバージドインフラの「Dell EMC VxBlock System 350」や「Dell EMC VxBlock System 350」の一部として提供されるUnityもある。このオプションでは、Unityオールフラッシュストレージを利用でき、VDI実装を単純にするパッケージを入手できる。

 500台未満の仮想デスクトップを含むVDI実装を主要ターゲットとするUnityだが、最大2000台の非固定デスクトップをサポートできる。Unityは最新の2Uフォームファクターを基本とする。そのため、特殊なハードウェアやソフトウェアは必要ない。特殊なハードウェアやソフトウェアは、ブロックストレージまたはファイルストレージのサポートを必要とすることが多い。1つのLinuxベースの運用環境によってシステム全体が制御されるため、3ラックユニットの筐体で最大80個のSSDをサポートし、1ラック当たり500TBの実効容量を持つ統合ストレージシステムを実現できる。

 Unityは、ブロックとファイルのストレージだけでなく、VMwareの「VMware Virtual Volumes」もサポートする。また、NAS、SCSI、ファイバーチャネルの各プロトコルも同時にサポートする。各システムは、6〜12基のコアを備えるIntelの「Broadwell」マイクロプロセッサを基盤とするデュアルストレージプロセッサを搭載する。

 またUnityには、「Unisphere Management Suite」など、オールフラッシュアレイを実装、管理するために必要なソフトウェアが付属する。Unisphere Management Suiteは管理をシンプルにするHTML5のアプリケーションだ。加えて、UnityではCloudIQサービスへのアクセスも提供する。このサービスはUnityアレイを監視するポータルだ。また、インライン圧縮、暗号化、ネイティブデータの保護もサポートする。ただし重複排除サービスは提供しない。

XtremIOオールフラッシュストレージ

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