インフラ、特にストレージ環境に関する変化は著しい。かつて有望視されたスタートアップも、幾つかはすでに事業を畳んでいる。生き残った企業が選択した技術は何なのか。
ハイパーコンバージドインフラストラクチャ(HCI)市場のリーダーであるNutanixは、競合するVMwareの顧客に自社のハイパーコンバージド基盤「Acropolis」をアピールするための行動を起こした。OEM契約を通じて、非x86系のサーバとしては初めて、IBMが自社サーバ「IBM Power Systems」にNutanixのHCIソフトウェアをプリインストールして販売できるようになったこともその1つだ。Nutanixは自社ブランドのハードウェアを完全に放棄したわけではないが、恐らくはその方向に向かっている。
当初HCI市場でNutanixのライバルだったSimpliVityは業績が振るわず、Hewlett Packard Enterprise(HPE)が2017年1月に6億5000万ドルで買収した。SimpliVityのHCIソフトウェア「SimpliVity OmniStack」によって、HPEはHCI製品でデータ圧縮と重複排除機能を提供できる。HPEのHCI製品である「HPE Hyper Converged 250」や「HPE Hyper Converged 380」には欠けていた機能だ。
Cisco Systemsは2017年8月、HCIソフトウェアのパートナー企業であるSpringpathを3億2000万ドルで買収すると発表した。これにより、CiscoがNutanixの買収を計画しているとのうわさに終止符が打たれた。SpringpathはCiscoのHCI製品「Cisco HyperFlex」にソフトウェア定義ストレージ(SDS)を提供している。
オープンソースベンダーのRed Hatも2017年、新製品「Red Hat Hyperconverged Infrastructure」でHCI市場に参入した。Red Hat Hyperconverged Infrastructureは、仮想化製品の「Red Hat Virtualization」とSDS製品「Red Hat Gluster Storage」を組み合わせた製品だ。
米IT企業NetAppも遅まきながら2017年、HCI製品「NetApp HCI」でHCI市場への参入を果たした。NetApp HCIは、同社の「SolidFire」シリーズのオールフラッシュアレイとQoS保証機能を備えたストレージOS「Element OS」をベースとしている。
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