Docker Enterprise Edition(Docker EE)は数カ月中に、Windows向けKubernetesの機能を追加する。だがMicrosoftを使っている企業はまだ、コンテナオーケストレーション戦略について決めかねている。
「Docker Enterprise Edition」(Docker EE)は半年以内に、Windowsホスト向けのKubernetesをサポートする。だがMicrosoftを使っている企業はまだ、コンテナのサポートについてどの製品に目を向けるべきかを決めかねている。
DockerとMicrosoftは2016年以来、Windowsのコンテナ対応で提携してきた。Dockerのコンテナオーケストレーションツール「Docker Swarm」をベースとする「Windows Server」向けのDocker EEは、「Windows Server 2016」ユーザー向けに無料で提供されている。米サンフランシスコで2018年6月に開かれた「DockerCon 2018」では、Docker関係者がDocker EEによるWindows向けKubernetesのサポートを発表した。さらに成熟したアップストリームのKubernetesが年内にリリースされれば、β版で実現すると約束している。
「この分野の進展を心から望む」「われわれは(コンテナ導入の)最前線にいる。だが『あなた方にはこれとこれとこれが必要だ。われわれが支援しよう』と言ってくれる相手が必要だ」。農場や牧場経営者向けのクレジット事業者Farm Credit Services of Americaのデンタープライズアプリケーション開発者、リース・ブラッドリー氏はそう語る。
Farm Credit Servicesでは、Microsoftの「Visual Studio Team Services」と「Octopus Deploy」のCI/CDパイプラインを使ってアプリを開発している。ブラッドリー氏の会社が同氏をDockerConに出席させたのは、Docker EEのWindowsコンテナサポートについて真剣に検討すべきかどうか見極めるためだった。同社は9カ月前にDocker EEでコンセプト実証を済ませた後、Kubernetesのサポートを追加した。Microsoftも数カ月前から、Azureコンテナ管理サービスでKubernetesのサポートを強調している。
ブラッドリー氏は言う。「Kubernetesには注目している。だがMicrosoftとDockerとKubernetesの経験をもとに、社内プロジェクトを支援してくれる相手を見つけるのが難しい。どんな質問をすればいいのかさえ分からないこともある」
ブラッドリー氏によると、Windows向けKubernetesのサポートが追加されれば、Docker EEはこの3分野の専門技術を網羅した最も有望な候補となる公算が大きい。それでもMicrosoftがオンプレミスのKubernetes管理に関してDockerとの提携を重視するのか、それとも自社のAzure Stack統合型ハードウェアとソフトウェアアプライアンスに力を入れるのかがはっきりしないと同氏は話す。
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