形だけではなく接続方法、通信方式にも注目
徹底解説:SSDで評判の4つのフォームファクター 最適な利用方法は?(1/2 ページ)
SSDのフォームファクターは、移行の容易さからスループットの向上までさまざまなメリットをもたらす。本稿執筆時点では、評判の高い4つのフォームファクターが市場で主流になっている。
SSDはフォームファクターの点から説明されることが多い。つまり、ドライブのサイズや形状によって表現される。だが、フォームファクターが示すのはドライブの物理サイズだけではない。ドライブとPCの接続方法や、マザーボードとドライブ間のデータ受け渡し方法も表す。
SSDで利用するフォームファクターは多数ある。縦と横の長さの組み合わせを変えても使える種類もある。本稿執筆時点の市場の主流は、2.5型SATA、mSATA、M.2、Peripheral Component Interconnect Express(PCI Express)という4つのSSDフォームファクターだ。
2.5型SATA
2.5型SATAフォームファクターは「シリアルATA」(SATA)規格に基づく。この規格は、PCとHDDを接続してデータを転送するために考案されている。SATA規格ではシリアル信号を利用しており、パラレル信号を利用していた「パラレルATA」(PATA)規格とは異なる。
SATAの転送速度は600Mbpsと、PATAの133Mbpsに比べて大幅に高速化されている。PATAとは違い、SATAは外付けドライブに使える。また、ドライブを「ホットスワップ」できる。ホットスワップとは電源を入れたまま機器の交換をすることだ。さらに、SATAで使用されるケーブルはかなり細い。取り扱いが簡単で、PC内部の空気の流れも改善される。そのため、PCにつなげられるコネクター数は多くなる。
多くのSSDベンダーは早くから2.5型SATA規格を採用している。HDDからSSDへの移行が非常に容易になるためだ。メリットはそれだけではない。
2.5型というサイズのおかげで、SSDはノートPCやデスクトップPCのドライブベイ(取付口)にも簡単に装着できる。全ての主要企業にとってこのフォームファクターが最も一般的で購入しやすいのは当然だろう。
2.5型SATAドライブはSATAケーブルを使ってPCのマザーボードに接続する。また、PCとドライブ間のデータ転送にAdvanced Host Controller Interface(AHCI)バスのプロトコルも利用される。このプロトコルによって例えば、ホットスワップやドライブで同時に発生したデータ要求の処理方法を最適化する「ネイティブコマンドキューイング」(NCQ)など高度なSATA機能が利用可能になる。
ただし、SATA規格は厳密にはHDD用に開発されたものだ。そのため、SATAドライブではSSDに本来備わっているスループット性能を最大限に引き出すことができない。SATAインタフェースコネクターでは約6Gbpsが限界で、SSDの全潜在能力を大きく下回る。
mSATA
一部のベンダーがSATA SSDの小型バージョンを提供している。これは「Mini SATA」を短縮して「mSATA」と呼ばれる。ドライブはmSATAインタフェース規格に準拠し、ノートPCやタブレットなど、電力に制約のあるデバイス向けに設計されている。その規格は、マザーボード上のmSATAソケットに直接接続されるカードに対してSATA信号をマッピングすることを基本とする。
mSATAドライブのサイズは、2.5型SATAドライブの約8分の1だ。それでいてSATAと同じ最大6Gbpsのスループットも実現できる。mSATAドライブはSSDフォームファクターとして非常に小さく、消費電力も少ない。また、起動と終了機能を持ち、衝撃や振動への耐性も高い。フォームファクターが比較的小さいため、mSATAドライブは業務用製品にも最適だ。公衆情報端末(キオスク)、デジタル署名、多機能プリンタ、販売時点管理(POS)デバイスなどがその例だ。
2.5型SATAドライブと同様、mSATAドライブはPCとドライブ間のデータ転送にATAコマンドを利用する。実際、この2つのドライブはそれぞれのサイズとマザーボードへの接続方法にしか差がない。
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