Azure、AWS、Googleの三つどもえ
クラウド“三国志”、Microsoft AzureはAIとIoTに賭ける(1/2 ページ)
あらゆる企業がデジタル企業に変わりつつある今、デジタル戦略の巧拙が、ビジネスの成否に直結する可能性がある。企業がデジタル戦略を進める際の注意点を、Microsoftのサトヤ・ナデラCEOが指摘する。
Microsoftのサトヤ・ナデラ最高経営責任者(CEO)は、米フロリダ州オーランドで開いた同社の年次イベント「Microsoft Ignite 2018」で講演し、「テックインテンシティー」に備えて、デジタル戦略を支えるベンダー選びには慎重になるよう、聴衆の最高情報責任者(CIO)やIT管理者に注意を促した。
Ignite 2018には約3万人が参加し、Microsoftやそのパートナーが80種類を超す製品を発表した。法人顧客やITプロフェッショナル、開発者向けに開かれた同イベントは、「インテリジェンスクラウドとインテリジェントエッジ」がテーマだった。
ナデラ氏の見方では、テックインテンシティーには2つの側面がある。1つ目は、企業は確実に「最新かつ最も優れた技術」を採用する必要があること。2つ目は、企業は自ら独自のデジタル能力を構築しなければならないことだ。
「どの業界に属していようと、あなた方はデジタル企業だ」と、基調講演でナデラ氏は語り掛けた。
デジタル技術の採用には落とし穴も潜む。ナデラ氏は企業に対し、既にコモディティとして出回っているデジタル機能を「独自に」構築してしまう失敗への注意を呼び掛け、「自らを真に際立たせてくれる物事に集中するよう努めなければならない」と語る。
ナデラ氏はまた、デジタル技術に関するもう一つの落とし穴についても注意を促す。付き合いのあるベンダーが、一方では自社にコモディティを提供し、他方では自社と競合するようであれば、企業は「戦略的過ちを犯したことになる」と同氏は語る。
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パートナーが競合に変わる
技術管理を手掛けるシステムインテグレーター、Anexinetのクラウドソリューション担当ディレクター、ネッド・ベラバンス氏は、Microsoftがこの数カ月、「パートナーを信頼しよう」というメッセージを打ち出してきたと指摘する。
「Microsoftが言っているのは、もし独立系ソフトウェアベンダー(ISV)や企業が、クラウドサービス群の『Microsoft Azure』を使って製品/サービスを構築しようとしているのであれば、Microsoftがそうした相手と競合するようなことはしないということだ」。ベラバンス氏はこう語る。
同じことは買収にも当てはまると、ベラバンス氏は言い添える。「Microsoftが言っているのは、もし医薬品販売会社がAzureにプラットフォームを構築しているのであれば、Microsoftがその相手と競合するために、医薬品販売会社を買収するようなことはないということだ」(同氏)
Microsoftのこうした姿勢は、法人顧客の獲得に力を入れるAmazon Web Services(以下、AWS)への対抗である可能性があると、ベラバンス氏は推測する。
AWSの親会社であるAmazon.comは2018年に入り、オンライン医薬品会社PillPackを買収する計画を発表していた。「Microsoftはより確実かつ明白に、顧客のビジネスと直接的に競合しない製品/サービスの開発と提供に的を絞っている」。戦略コンサルティング企業THINKstrategiesのマネージングディレクター、ジェフ・カプラン氏はこう指摘する。「だから法人顧客は、AWSよりもMicrosoftと組むことの方にずっと大きな安心感を覚える」と、カプラン氏は語る。
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