ビジネスでの可能性は
「料金が高くても5Gに変える」が7割以上 そこまでして得たいメリットは
「5G」の導入に前向きな企業は、仮にコストが上がることが分かったとしても、導入を諦める気はないようだ。企業が5Gに期待するのは、ネットワークのデータ伝送速度と信頼性の向上などだ。
「5G」(第5世代移動体通信システム)の市場は未成熟だ。それにもかかわらず、ビジネスの意思決定権者の約57%が、2020年までに5Gのネットワークサービスを導入する可能性が高いと回答している。
調査会社のHarrisXは、5Gに関する新しい調査プログラム「5G Intelligence Platform」を立ち上げた。5G Intelligence Platformの調査結果によって、5Gが自社のネットワーク強化に大いに役立つ可能性があることを、企業が認識しつつあることが明らかになった。
企業は無線ネットワークサービスを提供する通信事業者を選択する際、5Gを重要項目として検討し始めている。5Gがそのコストに見合う価値をもたらすだろうと考えている企業関係者は少なくないようだ。5G Intelligence Platformの調査を総合的に見ると、ビジネスの意思決定権者は5Gの登場を好意的に捉えており、5Gが企業にもたらすメリットを強く確信していることが分かる。
5G Intelligence Platformの調査では、ビジネスの意思決定権者の約88%が5Gの存在を知っていると回答した。これに対し、自身の業界に5Gがメリットをもたらすと考えている回答者は約半数だった。5Gが最も大きなメリットをもたらす主要な業界としては、電気通信、救急サービス、運送、医療などが挙がっている。これらの業界は、5Gに期待されるメリットであるネットワークサービスのデータ伝送速度と信頼性に大きく依存しているためだ。
全回答者の中で、5Gの活用に関する理解度が最も高かったのは、ビジネスの意思決定権者だった。そのほとんどの回答者は、無線ネットワークサービスを提供する通信事業者を選択する際に、5Gを重視すると回答している。回答者が挙げた5Gのネットワークサービスを提供する主要な通信事業者はVerizon WirelessとAT&Tだ。約33%の回答者がVerizon Wirelessを挙げ、約31%の回答者がAT&Tを挙げた。両者の差はごくわずかで、競争においては対等の関係にある。
企業は、5Gのメリットに大きな期待を寄せており、たとえ通信事業者を変更することになっても構わないと考えているようだ。回答者の約47%が、5Gによって得られる可能性のある利点を享受できる可能性があるのであれば、通信事業者を乗り換えたいと回答している。2020年までに5Gのネットワークサービスを契約する計画があると回答した企業は、半数以上に上る。
企業にとっての5Gのメリット
ネットワークの接続性と情報処理に変革を起こすだろう、というのは5Gに対する意見としてよく聞かれる。これは5Gが、現在のネットワークインフラに大きな影響を及ぼす可能性があることを意味する。例えば、5Gを活用して新たなサービスを提供したり、サービス品質を改善したりする事業者が出てくれば、5Gを利用しない競合の事業者は顧客を失う恐れがある。
約72%の回答者は、5Gの導入によってコストが増えても、それだけの価値があるならば構わないと回答している。そのため現状のネットワークサービスが使われなくなる可能性は大いにある。
5Gに期待するメリットとして上位に入った項目は下記の通りだ(注)。
- データ伝送の高速化(71%)
- 高品質ストリーミング(48%)
- 信頼性の向上(46%)
※注:丸かっこ内は回答率。
ビジネスの意思決定権者は、データ伝送の速さと信頼性という特徴のある5Gを、広範囲で利用したいと期待している。例えば5Gの導入によって、リモートワークを実施する従業員の生産性向上も期待できるだろう。
HarrisXは、電気通信、メディア、テクノロジーに関する調査やコンサルティング事業を手掛けている。同社の5G Intelligence Platformが対象とする回答者は、経営幹部や取締役といった意思決定権者が約1000人、無線サービスのユーザーが約3万人、家庭での意思決定権者約1万人だ。これらの対象者から毎月情報を収集する。このプログラムは5Gの導入や検討状況を追跡し、5Gや関連する要素について、どのような影響が起こり得るかを調査することが目的だ。
5G Intelligence Platformは、5Gの市場が成熟していく過程を毎月追跡し、5G導入に関する課題とメリットを引き続き調査する。
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