2018年にSDN(ソフトウェア定義ネットワーク)の市場規模は世界で約70億ドル規模まで拡大した。ベンダーの市場シェア争いでは、VMwareが2018年下半期にCisco Systemsを抑えて首位に立った。
急成長中のSDN(ソフトウェア定義ネットワーク)市場で、VMwareがCisco Systemsを抑えて、売上高ベースで首位に立った。両社は、年間数十億ドル規模に上るこの市場で首位争いを繰り広げている。
調査会社IHS Markitによると、2018年下半期に企業のSDN製品分野への投資額は同年上半期比で約34%増加した。2018年全体では、データセンター向けを含む企業向けのSDN市場は70億ドル規模に達した。IHS Markitの調査レポートによれば、企業向けSDN市場は2023年末までに、その3倍近くの200億ドル規模に拡大する見通しだ。
2018年下半期の企業向けSDN市場では、VMwareが売上高ベースで約22%の市場シェアを獲得してトップとなり、Cisco Systemsが約19%のシェアでこれに続いた。VMwareは、特定のハードウェアに依存しないネットワーク仮想化ソフトウェアに注力したことが功を奏した。これに対してCisco Systemsは、データセンター向けのスイッチ「Cisco Nexus 9000」の訴求を強化した。Cisco Nexus 9000は、アプリケーションの要件に基づいてネットワークを定義するアーキテクチャ「Cisco Application Centric Infrastructure」(Cisco ACI)のモードで動作する機能を備えている。だが「Cisco Nexus 9000をCisco ACIモードで利用する企業は依然として多くない」と、IHS Markitのアナリスト、ジョシュ・バンクロフト氏は指摘する。とはいえ導入した企業が将来的にCisco ACIモードを利用する可能性はある。「Cisco Systemsが、同社製スイッチへのACI導入を拡大させることができれば、SDN市場の首位争いが激化するのは必至だ」(バンクロフト氏)
VMwareもCisco SystemsによるSDNビジネスの拡大をやすやすとは許さないだろう。2018年末時点で、VMwareのネットワーク仮想化製品「VMware NSX」のユーザー企業数は約1万社に達する。
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