テープをHDD&SSDにリプレースして激変したバックアップ体制驚きの導入効果

英レディング大学は、手間と時間がかかり過ぎるテープバックアップインフラをHDD&SSDアプライアンスにリプレース。その効果は絶大だった。同大学が得た導入効果とは?

2019年09月04日 08時00分 公開
[Antony AdsheadComputer Weekly]

 英国のバークシャーにある英レディング大学は、1万8000人を超える学生と7000人の教職員を抱える。同大学が運用するITインフラは「Microsoft Hyper-V」「Microsoft Exchange」およびSQLデータベースを利用するアプリケーションなどを基盤とし、教職員の研究や共同作業プロジェクトにも使われている。

 以前のバックアップシステムは、1つのテープライブラリとVeritas Technologiesの「NetBackup」を基盤としていた。このシステムでのバックアップは非常に時間がかかったため、最も重要な資産のほんのわずかな割合しかバックアップしておらず、約15%の仮想マシンと約20%のNASにとどまっていた。

 このインフラをアップグレードしなくてはならなくなったとき、同大学はテープライブラリの大型化と高速化を進めるのではなく、別の方法を模索することにした。

 移行チームは、まずDruvaを検討した。だが当時はサーババックアップ全体を任せるにはあまりにも新興企業過ぎた。Data DomainとCommvault Systemsは「データをオフサイトに移行する要件」を満たさなかった。Veeam Softwareが中核とする数量ベースのライセンス料には魅力を感じなかった。

 これに対してRubrikは、同大学のバックアップ要件を全て満たしており「適切かつシンプル」だと思えたとモーティマー氏は話す。

 同大学は、SSDとHDDを合わせて約60TB搭載する4ノードの「Rubrik r348」(訳注)を導入し、そこに永久増分バックアップすることにした。

訳注:原文は「R348 Rubrik cluster with about 60TB of flash and spinning-disk capacity」。だがRubrikの資料によるとr348は8TBのHDD×12と400GBのSSD×4の計97.6TBを実装しており、計算が合わない。ちなみに、下位モデルのr344は4TBのHDD×12と400GBのSSD×4の計49.6TB。

 また、全データを「Microsoft Azure」のクラウドストレージにも即時移動している。現時点ではそこに約170TBを保持している。

 同大学は、これまでたった15〜20%のデータしか保護できていなかったが、現在では保持するほぼ全てのデータ(約95%)をバックアップできるようになったことが大きなメリットだとしている。

 「復元時間が大幅に短縮された。例えば、特定の時点のSQLデータベースを復元し、Rubrikのフラッシュドライブにライブでマウントして運用できるようになった。これにより、約1週間かかっていた復元作業が10秒まで短縮された」と同氏は言う。

 プロジェクト全体のコストは以前と変わらなかったため、同じコストでバックアップ量が飛躍的に増加し、検索と復元の機能が大きく向上したことになる。

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