スマートフォンのセンサーデータ分析がもたらすメリットとその代償顧客を知り、従業員を知る

IT担当者はスマートフォンのセンサーデータの助けを借りてユーザーの行動を理解し、業務やワークフローを改善することができる。だが、センサーデータの収集には幾つか大きなリスクも伴う。

2019年09月12日 05時00分 公開
[Robert SheldonTechTarget]
画像 《クリックで拡大》

 現代のスマートフォンには、ユーザーの行動を測るさまざまなセンサーが搭載されている。企業は長い間、こうしたセンサーが生み出すデータを活用してこなかった。

 例外が1つある。それはGPS(全地球測位システム)のデータだ。GPSデータによりユーザーを追跡し、位置情報を認証要素として有効にして、紛失したデバイスの場所を特定できる。GPSデータはスマートフォンに搭載されているセンサーデータ全体から見れば、ごく一部にすぎない。しかし、こうしたデータを集約すれば、セキュリティの強化など多くのメリットが得られる可能性がある。特にIT部門が機械学習などAI(人工知能)技術とセンサーデータを組み合わせれば、その可能性は高まる。

 ただし、こうしたデータ収集はエンドユーザーのプライバシーと引き換えになる恐れがある。企業はスマートフォンのセンサーデータの収集に対してユーザーが抱くプライバシーへの懸念を理解し、このような収集のプロセスに取り掛かる前に予防策を講じなければならない。

センサーデータを収集するメリット

 スマートフォンのセンサーデータは、従業員の働き方のパターンや行動を知る機会を企業にもたらす。IT担当者はセンサーデータをユーザーの承認プロセスに応用し、デバイスにログインするユーザーをより正確に特定できるようになる。

 センサーデータを使って感情分析し、従業員が自分の仕事に満足しているかどうか判断することも可能だ。IT担当者はユーザーを個別に追跡することなく、AI分析用にデータを集約できる。

 経営陣がこうしたセンサーデータを使えば、自社のモバイルユーザーの集団士気を理解し、どのようなイベントがユーザーにストレスを感じさせるかを把握することができる。例えば、経営陣が新しい技術を導入したとする。その導入後にセンサーデータを使って従業員の関わり方や姿勢を見守り、既存のワークフローを修正するなど、組織に変化を加えることもできる。

 センサーデータを使って日常業務の効率を上げることも可能だ。従業員が日常社内をどのように移動して相互にやりとりしているかを分析するとしよう。こうした分析に応じて、オフィスのレイアウトやワークフローを調整して、効率や生産性を最適化できる。こうしたアプローチは、障害のある従業員のアクセシビリティの問題に対処する際にも役に立つ。

センサーデータ収集の課題

会員登録(無料)が必要です

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

鬮ォ�エ�ス�ス�ス�ス�ス�ー鬯ィ�セ�ス�ケ�ス縺、ツ€鬩幢ス「隴取得�ス�ク陷エ�・�ス�。鬩幢ス「�ス�ァ�ス�ス�ス�、鬩幢ス「隴主�讓滂ソス�ス�ス�ス鬩幢ス「隴趣ス「�ス�ス�ス�シ鬩幢ス「隴乗��ス�サ�ス�」�ス�ス�ス�ス

製品資料 ジオテクノロジーズ株式会社

6つのユースケースから学ぶ、「人流データ」の効果的な活用方法

広告や小売、観光振興、まちづくりなど、さまざまな領域で導入が進む「人流データ」。その活用でどのような施策が可能になり、どのような効果が期待できるのか。人流データ活用の6つのユースケースを紹介する。

製品資料 ジオテクノロジーズ株式会社

基礎から解説:「人流データ」の特徴から活用におけるポイントまで

人の動きを可視化した「人流データ」。屋外広告の効果測定や出店計画、まちづくりや観光振興など幅広い領域で活用されている。その特徴を確認しながら、価値のある分析・活用につなげるためのポイントを解説する。

事例 アルテリックス・ジャパン合同会社

地図情報によるデータ分析作業を効率化、ゼンリングループ企業はどう実現した?

多くの企業でデータ活用が模索されているが、データ処理の煩雑さや属人化が課題となっている企業は少なくない。そこで注目したいのが、データ分析ツールの活用で課題を一掃した「ゼンリンマーケティングソリューションズ」の取り組みだ。

製品資料 サイオステクノロジー株式会社

ITインフラの自動化を実現、いま注目のクラウド型マネージドサービスの実力

複雑化を続けるITシステムの運用管理は、企業にとって大きな負担だ。そこで負担を軽減するものとして注目したいのが、クラウド上でさまざまな機能を利用できるマネージドサービスだ。本資料では、その詳細を解説する。

事例 プリサイスリー・ソフトウェア株式会社

SAPデータの処理時間を4分の1に短縮、ロクシタンはどうやって実現した?

SAP ERPを活用して、事業部門のデータ作成/変更を行っているロクシタンでは、マスターデータ管理の煩雑さに伴う、処理時間の長さが課題となっていた。これを解消し、SAPデータの処理時間を4分の1に短縮した方法とは?

From Informa TechTarget

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。

ITmedia マーケティング新着記事

news014.png

「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。

news046.png

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年4月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。

news026.png

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...