「5G」の活用がとりわけ期待されているのは製造業だ。工場のような現場に高速で低遅延のネットワークを導入することで、研修や資産管理といった業務の非効率性を一掃できる可能性がある。
従業員が新たに加わった場合、一般的には業務知識やノウハウを身に付けてもらうための研修を実施する。これは製造業でも同様だ。製造業で研修に使われている教材は、以前からほとんど変わっていない。企業は相変わらずその教材にお金をかけ、昔ながらの研修に時間を割いている。
製造業の中には離職率が高い企業も少なくない。短時間で従業員が入れ替わってしまえば、研修のために投じたコストは無駄になる。職場の生産性を大幅に下げることにもつながりかねない。
「5G」(第5世代移動体通信システム)の大きな利点は、データの送信元から受信先までエンドツーエンドのレイテンシ(遅延)が極めて低い点だ。この特性を活用することで、拡張現実(AR)や仮想現実(VR)を使った新しい従業員研修を提供できる可能性がある。
ARやVRを研修に使うことの利点は、遠隔でありながらリアルタイムできめの細かな研修ができることだ。研修生は実際の現場にいるかのように行動できるため、職場の実態を把握して作業のポイントを見極め、作業ミスを避けるために自分の行動をどのようにコントロールすべきかを確認できる。
工場などの現場で実際に5Gを利用する際は、ARやVR用のヘッドマウントディスプレイ(HMD)を現場内の5Gネットワークに接続する。そのネットワークは高速なデータ処理が可能なサーバと接続している。こうしたITインフラを整備することで、データ伝送とデータ処理を高速化できる。結果としてARやVRによる研修時に、研修生や講師のコミュニケーションにライムラグが発生する可能性が低減する。こうした研修を取り入れる企業は、新人研修のための時間を短縮でき、研修による学習の成果を高め、従業員の入れ替えによる生産現場の効率性の低下を低減し、ミスによる事故を減らすことができるだろう。
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