米ミシガン州のホテルは、IoTを取り入れて宿泊客の滞在の仕方を変えた。どのような技術を使い、ホテル内の環境をどう改善したのか。
1日の長旅を終えて宿泊先のホテルに着いたとき、チェックインカウンターに並びたいと思う人はいないだろう。ホテルなどのホスピタリティ産業でIoT(モノのインターネット)を活用すれば、宿泊客がホテルに到着した後、チェックインカウンターには並ばず、すぐに予約した部屋に入室するシナリオを実現できる。
デトロイト郊外のロチェスターにあるRoyal Park Hotelは、こうしたシナリオを実現した。Royal Park Hotelの建物は歴史ある英国の邸宅を連想させる外観をしている。その外観とは対照的に、同ホテルはIoTによるスマートホテル技術を取り入れ、宿泊客に常時インターネット接続のサービスを提供している。
Royal Park Hotelの宿泊客は、ホテルに到着してから直接客室に向かい、部屋ですぐにリラックスできる。スマートフォンやタブレットを使用してニュースを読んだり、動画配信サービス「Netflix」で動画を視聴したり、メールを確認したりしながらチェックインできるのだ。
「宿泊客のホテル滞在時の体験を向上させるためにスマートホテル技術の導入に踏み切った」。Royal Park HotelでIT関連業務のディレクターを務めるスコット・ローデス氏はこう語る。
Royal Park Hotelは2004年に開業し、143室の客室を備える。同ホテルは2009年にネットワークベンダーRuckus Networks(旧Ruckus Wireless、ARRIS Internationalが2017年に買収)の協力を得て、宿泊客用の無線LANアクセスポイント(以下、アクセスポイント)を30カ所に設置した。それから10年が経過した2019年、宿泊客によるスマートフォンをはじめとしたモバイルデバイスの利用は、当時と比べて大幅に増加した。ローデス氏は「ホテルの無線LAN環境のアップグレードが急務だと考えていた」と語る。
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