「IoTプラットフォーム」導入の基本【後編】
「IoTプラットフォーム」選定で失敗しないための評価ポイントとは
IoTプラットフォームは包括的な機能を持つものや特定の機能に特化したものなど、さまざまな製品がある。導入を検討する際にどのように製品を評価すべきかについて説明する。
前編「『IoTプラットフォーム』の3つの導入モデルとは? 何を『指針』とすべきなのか」では、モノのインターネット(IoT)の取り組みが広がる中、モノが生み出す大量のデータを収集し分析するために必要となる「IoTプラットフォーム」について、その基本機能や導入形態などを説明した。
IoTプラットフォームは前編で説明した通り、センサーから取得したデータを蓄積し、活用するための機能群をまとめた製品だ。後編ではIoTプラットフォーム製品を選定する際、自社が持つ要件に対してどのような評価軸を設定し、検討すべきかについて説明する。
リストアップしたIoTプラットフォーム製品が自社にどれだけ適するかを評価する基準として、事前に決めておきたい要素が「評価軸」だ。IoTプラットフォームの選定に当たり、機能領域ごとに評価すべき内容を評価軸として定義する。
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クラウドのIoTプラットフォームを比較
評価軸作成に当たってのポイントは、IoTプラットフォーム活用の方向性を決めた上で、どの機能が自社にとって重要なのかについて、明確な重み付けをすることだ。IoTプラットフォーム活用の方向性は、用途ごとの概念実証(PoC)や機能実装の方法で、以下の2パターンに分類できる。
- 自社のIT部門や利用部門が中心となって進める「内製パターン」
- 外部のベンダーに委託する「パートナー活用パターン」
内製パターンでIoTプラットフォームの活用を進める場合は、各機能の評価において、ユーザビリティーがより重要な評価基準となるだろう。
IoTプラットフォームの評価軸作成で考慮すべき項目一覧
機能の重み付けをする際は、IoTプラットフォームを利用する部門の用途案や扱うデータを軸に据えて検討する。案として出た用途を実現するためにはどの機能が必要なのか、重要度の濃淡を付ける。
自社に適したIoTプラットフォーム製品を選定するためには、社内からできるだけ幅広く用途案を抽出しておくべきだ。そのためには、IoTプラットフォームを利用する事業部門だけで用途案の抽出を進めるのではなく、IoTプラットフォーム導入を担当する部門と協力してIoT活用の可能性を探るのが望ましい。さらにIoTプラットフォームの利用や導入に関わる部門は、机上のディスカッションで終わるのではなく、実際のビジネスの現場を見学し、活用のイメージを膨らませることもIoTプラットフォームの導入を成功に導くために効果的だ。
以上の点を鑑みて、IoTプラットフォームの機能領域ごとに評価軸を作成する。参考までに、以下に機能領域ごとに評価軸を作成する際、考慮すべき点を幾つか例示する。
| 機能領域 | 考慮すべき点(例) |
|---|---|
| データへの接続 | ・利用できるIoTゲートウェイ(IoTデバイスとサーバとの通信を中継するデバイス)の種類は何か |
| ・準拠している通信規格は何か | |
| ・センサー接続に用いる認証方法は何か | |
| ・必要なプロトコルに準拠しているかどうか | |
| ・双方向通信の機能を備えているかどうか | |
| ・一時的な通信切断に対してどのような対策を講じているか | |
| ・接続するセンサーのステータスやファームウェアを管理できるかどうか など | |
| データの格納 | ・必要なデータストアが利用可能かどうか |
| ・ユーザー単位、デバイス単位など、データへのアクセス管理を詳細に設定できるかどうか | |
| ・メタデータの管理や検索の機能を備えているかどうか など | |
| データ処理 | ・リアルタイムデータの収集と加工の機能を備えているかどうか |
| ・イベントデータの検索や表示の機能を搭載しているかどうか | |
| ・テンプレートを使用して容易にデータの加工や集計の処理を実施できるかどうか | |
| ・どのような機械学習アルゴリズムを採用しているか | |
| ・画像分析モデルを作成できるかどうか など | |
| データ活用 | ・テンプレートを使用して容易に可視化画面を作成できるかどうか |
| ・モバイルデバイスで利用できるかどうか | |
| ・社内外の関係者とセキュアに連携可能かどうか | |
| ・フィードバック処理を開発するためのソフトウェア開発キット(SDK)やサンプルコードを利用できるかどうか | |
| ・アプリケーション開発機能を備えているかどうか など |
執筆者紹介
田口貴一(たぐち・たかかず) EYアドバイザリー・アンド・コンサルティング シニアマネジャー
外資系コンサルティングファームおよび事業会社を経て現職。IT投資戦略やIT組織/人材戦略といった戦略策定からIoTプラットフォーム構想策定、ビッグデータマネジメントプロセス策定といったエマージングテクノロジー関連プロジェクトまで多数のプロジェクトをリード。幅広い業界におけるプロジェクト経験を有する。IT戦略/ITガバナンスおよびデータマネジメントの領域を得意とする。
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「IoTプラットフォーム」導入の基本
製造業、小売、医療、物流などさまざまな業界で活用が期待されるモノのインターネット(IoT)。その実現にはIoTに必要な機能群を搭載した製品である「IoTプラットフォーム」が必要だ。製品選定のポイントを紹介する。
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