AWSは2021年初頭に「大阪リージョン」を新設する。すでに大阪で運用している「大阪ローカルリージョン」とは何が違うのか。
Amazon Web Services(AWS)は、2021年初頭に「大阪リージョン」を開設する。同社は2018年2月から大阪で、比較的小規模なデータセンター群である「ローカルリージョン」を運用している。このローカルリージョンのデータセンターを増設し、AWSの通常のデータセンター群である「リージョン」に“格上げ”することになる。大阪リージョンの開設でAWSのユーザー企業はどのようなメリットを得ることができるのか。大阪ローカルリージョンとの違いを比較して検討する。
AWSのリージョンとは、独立したデータセンターである「アベイラビリティゾーン」(AZ)同士を専用線で接続したデータセンター群のことだ。通常、リージョンには複数のAZが含まれる。現在の大阪ローカルリージョンのAZは1つだけだが、2021年初頭にAZを3つに増設することで、大阪リージョンとして運用を開始する。
大阪ローカルリージョンは、東京リージョンで稼働させているシステムやデータのバックアップとDR(障害復旧)のための利用を前提にしている。金融系のサービスなど、法制度の要件によって、データの冗長性を国内のデータセンターで確保する必要がある場合に大阪ローカルリージョンが利用できる。
アマゾン ウェブ サービス ジャパンの長崎忠雄社長は、大阪リージョンを開設することで「国内リージョンの可用性と耐障害性が高まるとともに、関西圏の顧客は低遅延でAWSのサービスを利用できるようになる」と説明する。
稼働中の大阪ローカルリージョンと大阪リージョンは、幾つかの点で違いがある。主要な違いを整理しよう(表)。
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