「Cosmo Communicator」は、物理キーボードを搭載するクラムシェル型フォームファクターのAndroidスマートフォンだ。このたび、KDEまで動くDebian GNU/Linuxとのデュアルブートが実現した。
英ロンドンを拠点とするPlanet Computers(以下、Planet)は、「Gemini PDA」や「Cosmo Communicator」を製造するモバイル機器メーカーだ。
英Computer Weeklyは以前、非常に快適なGemini PDAをレビューした。そしてPlanetのクリエイターが1990年代半ばのPsionから着想を得て、最新ユーザー向けに(キーボードを備えた)折り畳み式フォームファクターを生み出したこと確認した。
PlanetはこのGemini PDAに続いて、より高度なCosmo Communicatorを開発した。
最近、PlanetがCosmo Communicatorにマルチブート機能を搭載したという。ユーザーはCosmo Communicatorで、標準の「Android」とAndroidのルーツである「Debian GNU/Linux」など、多数多様なOSを実行できるようになる。
Cosmo Communicatorでは「Team Win Recovery Project」(TWRP)も利用可能になる。これにより、端末構成をカスタマイズする柔軟性がさらに高まる。
Cosmo Communicatorのリリース(2019年9月)以来、デフォルトのOSは「Android 9 Pie」だ。Linuxコミュニティーは、Planetチームのサポートを得てモバイル端末でLinuxとTWRPを(円滑に)実行できるファームウェアを開発している。
重要なのは、Cosmo Communicatorをパーティション分割してLinuxを組み込んでいるユーザーが、Androidファームウェアの無線によるアップデートを引き続き利用できることだろう。
「Cosmo Communicatorで実行可能な代替OSを提供することは、Planetの全端末のベースになっている。ファームウェア開発では、Linuxコミュニティーの支援を受けている。当社とコミュニティーは協力して、Linuxユーザーのエクスペリエンスの改善と強化を続けていくだろう」と語るのは、PlanetのCEOヤンコ・ムルジッチ=フロゲル氏だ。
Cosmo Communicatorのマルチブートファームウェアは、PlanetのサポートWebサイトでダウンロード(無料)できる。Cosmo CommunicatorでLinuxをセットアップする方法を詳しく示したステップ・バイ・ステップガイドもそこで入手できる。
ファームウェアをインストールしたmicroSDをPlanet Storeで購入することも可能だ。
ユーザーがAndroid以外で何かを実行し、その効果を最大限に発揮できるようにするにはマウスが必要になるだろう。個人的な見解としては、Planetはフォームファクターのサイズを少しだけ、ほんの1インチか2インチ程度拡大する必要がありそうだ。
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