2020年06月09日 05時00分 公開
特集/連載

「量子コンピュータ」はクラウドとオンプレミスのどちらが現実的か?IBMに聞く「量子コンピュータ」の今【中編】

「量子コンピュータ」には、ありがちな「誤解」がある。それは何か。IBMの量子コンピュータ部門責任者が主要な3つの誤解を紹介する。

[Jessica Lulka,TechTarget]

 現在幾つかの大手ベンダーが、量子力学の原理を利用した「量子コンピュータ」の開発に着手している。量子コンピュータの専門家であるボブ・スーター氏は、2020年代半ばには、量子コンピュータが飛躍的に進歩すると予測する。スーター氏はIBMの研究機関IBM Researchの量子エコシステム開発部門でバイスプレジデントを務め、2019年11月に量子コンピュータの解説書『Dancing with Qubits: How quantum computing works and how it can change the world』を出版している。

 前編「『量子コンピュータ』はなぜ必要か? 従来型との比較で考える」に引き続き、スーター氏に量子コンピュータの現状と、基本的な仕組みについて話を聞く。

―― 企業が量子コンピュータに注目するのはなぜでしょうか。

スーター氏 古典コンピュータ(従来のコンピュータ)では扱いにくい問題を抱えていたり、古典コンピュータの性能に満足していなかったりするからだ。

 古典コンピュータが苦手とする問題の一つに、リスク予測がある。金融機関を始めとした幅広い業界で、いかに素早く適切なリスク評価をするか、リスクの評価に必要なデータセットのサイズはどれほどになるかといった問題がある。解決には量子コンピュータが活用できる可能性がある。

 科学技術分野の場合、分子の化学反応のモデリング(数式化)には膨大な計算能力を必要とし、古典コンピュータではうまく計算できないことがある。短時間で正確なモデリングをするには、量子コンピュータが必要になる。

―― 量子コンピュータについてよく耳にする誤解はありますか。

量子コンピュータを動かすのはクラウドか、オンプレミスか

ITmedia マーケティング新着記事

news045.jpg

「ファッションテック」から「3密回避」まで データによる価値創造と課題解決の考え方
気象データを活用してファッションコーデを提案するサービスをデジタルエージェンシーの...

news153.jpg

脳波計測で判明 Twitterを使いながら番組を見る人は満足度が高い――Twitter Japan調査
脳波を活用した感性把握技術を活用して「テレビとTwitter」の関係について分析しています。

news058.jpg

旅行業界のデジタルシフトと「Go To トラベル」後の課題 びゅうトラベルサービスに聞く
列車旅の拡大活性化を目指してデジタルシフトを進めるJR東日本グループの旅行会社びゅう...