パンデミックと投資動向【中編】
コロナ禍でも買われるIT製品、後回しされるIT製品の違いは?
新型コロナウイルス感染症の拡大は、企業のIT製品の投資動向にどのような影響を与えるのか。調査結果から探る。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大は、一部の中小企業を直撃している。ある保険会社は、サポート契約の終了が近づいているストレージをリプレースしようと計画していたが、プロジェクトの縮小を決定した。
パンデミックでも投資が落ち込まない“あのIT製品”
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この保険会社は本社のデータセンターのストレージのみを入れ替え、他のデータセンターでは保守サポートをサードパーティーサポートに切り替え、既存のストレージの運用を継続する計画だ。「2020年の支出は減らすつもりだ。必要なストレージを2021年も調達できない可能性がある。非常に高額な見積もりが来ている」と同社のインフラ担当者は語る。
調査会社のIDCは2020年4月に、新型コロナウイルス感染症の拡大による影響で2020年のIT支出は前年比で約2.7%減少するという見通しを発表した。サーバとストレージへの支出は前年比3.3%減になるという。同社によれば、企業のIT投資分野として増加するのはIaaS(Infrastructure as a Service)とクラウドベンダーの設備投資だ。
調査会社Evaluator Groupは2020年3月から4月にかけて、企業のIT担当者約300人を対象にオンライン調査を実施した。これによると、回答者の40%以上が進行中あるいは将来的なIT投資のプロジェクトを再検討し、回答者の20%近くは全ての新規プロジェクトを保留にした。残る回答者のほとんどはIT投資の計画を変更していない、あるいは進行中のプロジェクトを計画通り継続する、と回答した。
同調査によれば、IT投資については回答者の27%が全体的な縮小を計画し、22%は一部の分野でのみ購入を削減すると回答した。約半数となる残りの回答者は、IT投資への影響や優先順位の変更はないと回答した。
Evaluator Groupのシニアアナリストを務めるジョン・ウェブスター氏によれば、IT部門がパンデミックの中で強化しているのはセキュリティ、データ保護、災害復旧(DR)といった分野だ。ストレージを含むインフラ面ではクラウドサービスの導入意欲が高まっているという。
ウェブスター氏は2020年4月上旬にMicrosoftが提供するクラウドサービス群「Microsoft Azure」(以下、Azure)のユーザー企業2社からあるエピソードを聞き、クラウドサービスへの関心が高まりつつある兆候として解釈した。これらユーザー企業の2社の話は、Azureに追加的なリソースの調達を要求したが、要望通りに受け入れられなかったという内容だった。ウェブスター氏は「この状況が広く発生しているのかどうかは分からない」と前置きした上で、「仮に大手クラウドベンダーの1社がリソースを制限しているなら、クラウドサービスへの需要はそれだけ増えていると考えるべきだ」と語る。
クラウドストレージを提供するWasabi Technologiesは、2019年に続いて2020年第1四半期も業績を伸ばしている。同社CEO(最高経営責任者)のデビッド・フレンド氏は「新型コロナウイルス感染症の影響によるものかどうかは分からない」と語るが、新型コロナウイルス感染症が広がる中でもクラウドサービスへの需要が高まっていることは確かだ。
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