「Microsoft 365」でファイル共有やバックアップに失敗しないためには?「Microsoft 365」の注意点【前編】

「Microsoft 365」は豊富な機能を備えている分、複雑だ。正しく設定していないと、エンドユーザーのデータを失うなどのリスクがある。Microsoft 365利用時に注意すべき点を説明する。

2020年09月20日 08時30分 公開
[Reda ChouffaniTechTarget]

 Microsoftがサブスクリプション方式で提供するオフィススイート「Microsoft 365」。そのユーザー企業のIT担当者は、エンドユーザーがMicrosoft 365を使用する際によく発生する問題を把握し、過去のトラブルを参考に対処した方がよい。

 豊富な機能を備えるMicrosoft 365には、継続的に機能が追加されている。十分に準備しないまま導入すると、その複雑さから問題が発生する可能性がある。問題が起きた場合に備えて、IT担当者があらかじめ検討すべきことが幾つかある。前後編にわたり、Microsoft 365を導入するときの注意点を説明する。

注意点1.パブリックフォルダーの作成

 Microsoftのメールクライアント「Outlook」のユーザー企業は、複数のエンドユーザーがOutlookでメールや予定表、連絡先を共有するために、ファイル共有機能の「パブリックフォルダー」を利用することがある。パブリックフォルダーは、Microsoftのメールサーバ「Exchange」を導入することで利用可能だ。

 パブリックフォルダーは、人事部門が社内イベントの予定表を管理したり、経理部門が請求書をメールで受け取ったりするときに役立つ。Microsoft 365の一部であるオンラインサービス版Exchange「Exchange Online」にパブリックフォルダーを作成するには、専用のコマンドラインインタフェース(CUI)「Exchange Online PowerShell」や管理コンソール「Exchange Admin Center」(Exchange管理センター)などのツールを使って作業する必要がある。

注意点2.適切なフォルダリダイレクトポリシーの設定

 Microsoft 365のユーザー企業では、Microsoft 365ライセンスを割り当てられたエンドユーザーは、ファイル同期サービスの「OneDrive for Business」を1人当たり1TB分以上利用できる。Microsoft 365の利用を開始すると、エンドユーザーの端末の「エクスプローラー」にOneDriveフォルダのショートカットが作成される。このフォルダにエンドユーザーが保存するファイルは、Microsoftのデータセンター側にあるOneDriveフォルダと同期する。

 この過程で見落としがちなのが、エンドユーザーの端末にあるフォルダをOneDrive for Business側に移動またはリダイレクトするポリシーの設定だ。このポリシーを利用することで、「ドキュメント」「デスクトップ」など、端末内の指定したフォルダをOneDrive for Businessでバックアップできる。ただしポリシーの設定と確認を怠ると正しくバックアップできず、端末のドライブに障害が発生したときにデータ損失を招く可能性がある。

TechTarget発 先取りITトレンド

米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

髫エ�ス�ス�ー鬨セ�ケ�つ€驛「譎擾スク蜴・�。驛「�ァ�ス�、驛「譎冗樟�ス�ス驛「譎「�ス�シ驛「譏懶スサ�」�ス�ス

製品資料 株式会社スタディスト

「そのマニュアル、本当に見られている?」 活用されるマニュアルのポイント

業務マニュアルは使われて初めてその効果を発揮するが、そもそも見られていないことから、業務課題を一向に解決できないという企業は多い。“活用されるマニュアル”を作成・共有するには、どんなポイントを押さえるべきか。

製品資料 株式会社スタディスト

現場で使われないマニュアルと決別、活用されるために必要なコツとは

マニュアル作成において、90%以上の組織がビジネスソフトを利用しているが、それでは活用されるマニュアルへのハードルは高い。きちんと現場に使われるマニュアルにするために、ノウハウを把握しておきたい。

製品資料 株式会社スタディスト

不適合品発生の原因は「人」と「方法」、改善を促すマニュアル作成・運用術

製造業では、不適合品を極力減らすカイゼンの取り組みが重要だ。ある調査によると、不適合品発生の原因の多くは「人」と「方法」に関連しているという。企業の対応策で一般的なのはマニュアルの運用だが、ここには落とし穴がある。

製品資料 株式会社スタディスト

DXの推進を阻む「移行コスト」を解消し、新規ツールを浸透させるには?

あらゆる業界でDXの取り組みが加速する一方で、成功を実感している企業は1割にも満たないという。最大の障壁となる「移行コスト」を解消し、新規ツールを「誰にでも使える」状態にするための方法を探る。

製品資料 双日テックイノベーション株式会社

従来の電話の在り方を見直し、働き方の多様化に柔軟に対応する方法とは?

さまざまなWebシステムが使われるようになった今も、電話はやはりビジネスに不可欠なツールである。とはいえ働き方改革やDXを受け、企業における電話の在り方も大きく変わってきた。そこにフィットするソリューションがクラウドPBXだ。

驛「譎冗函�趣スヲ驛「謨鳴€驛「譎「�ス�シ驛「�ァ�ス�ウ驛「譎「�ス�ウ驛「譎「�ソ�ス�趣スヲ驛「譎「�ソ�スPR

From Informa TechTarget

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。

TechTarget驛「�ァ�ス�ク驛「譎「�ス�」驛「譏懶スサ�」�趣スヲ 髫エ�ス�ス�ー鬨セ�ケ�つ€鬮ォ�ェ陋滂ソス�ス�コ�ス�ス

ITmedia マーケティング新着記事

news025.png

「マーケティングオートメーション」 国内売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、マーケティングオートメーション(MA)ツールの売れ筋TOP10を紹介します。

news014.png

「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。

news046.png

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年4月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。