「Windows」のパッチ管理の効率化や自動化に有効なサードパーティー製ツールとして、「Patch Manager Plus」と「PDQ Deploy」を紹介する。これらはどのようにしてパッチ管理作業を効率化するのか。
第2回「Windowsパッチ管理ツール『Ivanti Security Controls』『Kaseya VSA』の基礎」に続き、「Windows」のパッチ(更新プログラム)管理ツールのうちMicrosoft純正ツール以外の選択肢として、「Patch Manager Plus」と「PDQ Deploy」の2種を紹介する。
Zohoの運用管理ツール群「ManageEngine」の一つであるパッチ管理ツールのPatch Manager Plusには、オンプレミスのインフラで運用するソフトウェア版とクラウドサービス版がある。Windowsの他、「macOS」や「Linux」搭載端末、350個以上のサードパーティー製アプリケーションなどを管理対象にする。管理者は単一の管理画面でパッチ管理業務を実行し、標準搭載のテンプレートを使ってOSやアプリケーションのパッチ管理の効率化や自動化ができる。端末とアプリケーションのパッチ適用状況を確認するためのさまざまな監査、分析、レポート機能を搭載している(図3-1)。
Patch Manager Plusには無償版の「Free」と有償版の「Professional」「Enterprise」の3つのエディションがある。LANとWANを介して異なるLANの端末も管理できる機能はEnterpriseエディションのみが提供する。FreeエディションもEnterpriseエディションと同様の機能を提供するが、対象はクライアント端末20台とサーバ5台までに限定される。ProfessionalエディションはEnterpriseエディションの一部の機能を提供するものの、Enterpriseエディションが提供するウイルス定義ファイルの更新やドライブ/BIOSの更新、パッチ適用のテスト・承認の自動化の機能は対象外となる。
Enterpriseエディションを利用することで、パッチ管理プロセス全体を自動化できる。プロセスにはパッチの欠落を検出するためのスキャン、ベンダーのWebサイトからのパッチのダウンロード、ダウンロードしたパッチの適用、パッチ管理プロセスに関するレポート生成が含まれる。Enterpriseエディションは、遠隔地の支社の端末にパッチを適用可能な配信サーバも提供する。サービスパック(パッチをひとまとめにしたプログラム)の導入、ディレクトリサーバ「Active Directory」による認証、ローミングユーザー(ドメイン内のどの端末からでも同一のデスクトップを利用できるユーザー)のパッチ適用、ユーザーの役割管理、オンデマンドでのリモートシャットダウンなどの機能は、3つのプラン全てが搭載している。
PDQ.comのソフトウェア展開ツールであるPDQ Deployは、サーバOS「Windows Server」とクライアントOS版Windows搭載端末のパッチ管理を自動化できる(図3-2)。PDQ Deployは、250種類以上のアプリケーションを管理対象にできる。ユーザー企業が独自に管理対象アプリケーションを追加することも可能だ。ファイルのコピー、ユーザーへのメッセージ送信、管理対象端末の再起動などの機能を搭載する。通常の有料版の他に無料版もあるが、無料版は一部の機能しか利用できない。
管理者は単一の管理画面を使い、ソフトウェアのインストールやアンインストール、更新、修復といった作業をする。スクリプトを使った作業の自動化も可能だ。ほとんどの場合、管理者はPDQ Deployのスケジューリング機能を使って、指定した間隔でソフトウェアを導入する。PDQ Deployは端末やソフトウェアの更新を認識し、注意が必要な端末やソフトウェアがあるかどうかといったパッチ導入に関する報告をメールで送信したり、導入やスケジュールに関するレポートを生成したりする機能も搭載する。
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