「Windows Server」のチューニングに少し時間をかければ、パフォーマンスを最適化し、満足のいく結果を得ることができる。そのための基本的なこつを紹介する。
サーバOS「Windows Server」はさまざまな変化を経てきた。処理の高速さやレイテンシ(遅延)の短さといったパフォーマンスを良好に保つためにかつて有効だったノウハウは、もはや通用しなくなっていることもある。
最新版Windows Serverのパフォーマンスを高めるこつを紹介する。以下で紹介するいずれかの方法を単体で実践するだけでは効果は限定的だが、組み合わせて使用すれば、動作を大幅に高速化できる可能性がある。
サーバが使用するストレージを全てHDDからフラッシュストレージに変更するのはあまり現実的ではない。ただし部分的にフラッシュストレージを使用することは良いアイデアだ。
例えばサーバのブートボリューム(OSファイルを保存する論理的な領域)やアプリケーションの実行ファイルの格納場所として、SSD(ソリッドステートドライブ)を使用する。そうすればサーバの全体的な応答性を高めるのに大いに役立つ。
SAS(Serial Attached SCSI)やSATA(Serial ATA)などのHDD同様のストレージインタフェースを備えるSSDは、HDDよりもデータ読み書きが高速になる。さらにNVMe(Non-Volatile Memory Express)準拠の企業向けグレードのフラッシュストレージは、パフォーマンス面でさらに大きな恩恵をもたらす。システムのオーバーヘッド(処理にかかる余分な負荷)の低減によってレイテンシ(遅延)を短縮すれば、Windows Serverの動作はより高速になるからだ。
Microsoftは、ファイルシステム「NTFS」(New Technology File System)の後継として「ReFS」(Resilient File System)を開発した。ReFSではデータの整合性が向上し、処理可能な最大ボリューム(論理的な領域)サイズや最大ファイルサイズが拡大している。
適切な条件の下であれば、ReFSはサーバのパフォーマンスも向上させる。例えばブロック(ファイルシステムにおけるデータ管理の基本単位)の複製機能は、ハイパーバイザー「Hyper-V」の「チェックポイント」関連機能を高速化する。チェックポイントは、システムを変更前の状態に戻す機能を指す。同様に「スパースVDL」(VDL:Valid Data Length)機能は、固定サイズのVHD(Virtual Hard Disk)ファイルの作成にかかる時間を数分から数秒に短縮する。VHDファイルはHDDと似た構造を持つファイルだ。
物理サーバのファームウェアは、常に最新に保つ必要がある。ファームウェアの更新によって、サーバのパフォーマンスや安定性が向上する場合があるからだ。例えばWindows Serverの電源プランを「バランス」(パフォーマンスと消費電力を両立させる電源プラン)に設定したサーバで、パフォーマンスが悪化する場合がある。この問題は、サーバの古くなったファームウェアに起因することが少なくない。
中編は4つ目から6つ目のこつを紹介する。
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