Apple、IBMも「ハイブリッドワーク」の導入拡大か
“脱テレワーク”強行ならストも辞さず 「オフィス出勤再開」に複雑な従業員
米国企業は、テレワークを主体とする勤務態勢からオフィスへの復帰を目指す動きを加速させている。一方で“複雑な思い”を抱える従業員もいる。その思いとは。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)の収束を見据えて、幾つかの企業が2021年9月をめどに従業員の勤務場所をオフィスに戻そうと考えている。その頃には企業による「ハイブリッドオフィス」の導入が一般的になる可能性がある。ハイブリッドオフィスとは、オフィス勤務とテレワークを組み合わせた勤務形態のことだ。
勤務場所をオフィスに戻したい企業
米国ニューヨーク市では、労働者の62%が2021年9月までにオフィスに戻る意思を固めている。ニューヨーク市の150万人以上の雇用主を代表しているという非営利組織Partnership for New York Cityが発表した新しいデータによると、その多くがハイブリッドオフィス環境で働くとみられる。
報道各社は、Appleを始めとする一部の企業がハイブリッドオフィスへ復帰する可能性があることを伝えている。一方で、ハイブリッドオフィスを取り入れるかどうかを明確にしていない企業もある。その一例がIBMだ。
ニュース放送局CNBCが2021年6月に報道した情報によると、IBMは2021年9月にオフィス業務を再開する。IBMで最高人事責任者を務めるニックル・ラモロー氏は、社内報で「米国の臨床状況の改善とCOVID-19ワクチンへの広がり」によってこの決断を下したと述べている。2回のワクチン接種を終えた従業員がマスクなしで出勤できるよう、これから数週間はポリシーと慣習の更新、出張に関するルールの策定などに取り組むという。
“脱テレワーク”の会社ではストも オフィス出勤にまつわる従業員の「本音」は
だがラモロー氏の社内報は、IBMがハイブリッドオフィスの採用を検討しているかどうかについては触れておらず、「当社はワークライフバランスを支援する慣行とポリシーを長年にわたって維持しており、これはオフィス勤務に戻っても継続する」と記すにとどまっている。
2021年2月にIBMが発表した、3000人のCEOへのインタビューをベースとする調査「2021 CEO Study」は、ハイブリッドオフィスの導入に向けて準備するよう顧客にアドバイスしている。
ハイブリッドオフィスを導入すると、従業員は少なくとも週3日の出勤をする可能性がある。ニューヨーク市の企業経営者からなる非営利団体Partnership for New York Cityの調査によると、回答雇用主の71%がハイブリッドオフィスの導入を計画しており、63%は従業員が週3日出勤する計画で考えていた。
ビジネスリーダーに対して実施した調査の結果は、従業員の気持ちに沿うものではない可能性がある。出版社Washingtonian MagazineのCEOがテレワークを否定する趣旨のエッセーをWashington Postに発表した後、Washingtonian Magazineの従業員が仕事を終日ストライキしたという事件は、その可能性を示すものだ。
Appleのハイブリッドオフィス計画は、週3日のオフィス勤務と報じられている。これを最初に報道したのは通信社Bloombergだ。それを受け、従業員の数人がこの決定への不満を表明する書簡を出したことを、Vox Mediaが運営するニュースサイト「The Verge」が取り上げた。
この書簡に、Appleの従業員は次のように記している。
2020年、従業員の意見はほとんど聞き入れてもらえなかったように思います。時には積極的に無視されたと感じました。従業員に正反対の感情があることを認める表明はないままに「オフィスに戻り、同僚と是非にも以前のように直接会いたいと多くの従業員が考えている」というようなメッセージを出されても、ぞんざいな対応としか思えず、意見を否定されているように感じます。世界中の同僚とのつながりは既に良好だとほとんどの従業員が思っていますし、むしろ今まで以上に関係は深まっています
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