“大退職時代”の人材維持・獲得策【後編】
給与を上げずに有能社員を引き留める“賢い報奨金”とは?
人材の維持・獲得の有力な手段となり得るのが、報奨金をはじめとする金銭的インセンティブだ。報奨金だけでも、さまざまな種類がある。主要な報奨金を紹介しよう。
本稿は中編「9割の米国企業が支払う『有能人材“引き留め金”』とは?」に引き続き、人材採用難を解決するための金銭的インセンティブを紹介する。
高いスキルを要する仕事、特に技術系では、サインオンボーナス(入社一時金)の支払いは「いつの間にか当たり前になっていた」と、調査会社Foote Partnersの共同設立者であり、リサーチ責任者兼チーフアナリストのデビッド・フット氏は説明する。サインオンボーナスは一般的に、大学を卒業してすぐに就職する人に対して、就職先の組織が支給する。データサイエンスといった人気の分野では「修士号を取得したばかりの人に支給される割合が高いと分かっている」とフット氏は述べる。
給与維持でも有能社員を離職させない“賢い報奨金”とは
「企業は給与を高くする代わりに、サインオンボーナスやさまざまな報奨金を利用している」とフット氏は話す。こうした報奨金は、
- 特定のプロジェクトまたはタスクでの特別な貢献を表彰するスポットの報奨金
- 従業員の通常職務の領域を超えた並外れた業績に与える裁量的報奨金
- 利益の一部を従業員に分配する利益分配
- 並外れた業績を上げたチームに与えるチーム報奨金
- 企業への在籍を条件に従業員に支払うリテンションボーナス(残留報酬)
などだ。
米バーモント州は、管理業務などの一部の仕事にサインオンボーナスを支給している。同州人事部の副部長であるダグラス・パイン氏は「サインオンボーナスを支給すると、欠員の補充が困難な地域の仕事でも、民間企業や大きな自治体同等の競争力を持つことができる」と話す。ただし欠員の補充が困難な仕事には「給料はともかく、肉体的に厳しい、難しいという理由もある」とパイン氏は述べる。
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