コンタクトセンターが製品導入プロセスにおける提案依頼書(RFP)を作成したら、いよいよベンダー候補の絞り込みと実装計画が待っている。これらのフェーズで意識すべきことは何か。
コンタクトセンターが技術パートナーを決める際の提案依頼書(RFP)作成時におけるベストプラクティスを紹介する本連載。第3回「コンタクトセンターが製品導入前に気を付けたい、『RFP』作成後レビューのチェック項目」は、RFP作成プロジェクトに必要な6つの手順のうち3番目を紹介した。第4回となる本稿は、4~6番目の手順となる「回答を評価し、ベンダーの最終候補を選定する」「最終候補に残ったベンダーを含めた会議を開催する」「実装を決定および計画する」について解説する。
RFP作成プロジェクトチームは、コンタクトセンター製品ベンダーからの回答を評価するために、重要度別の点数を付け、スコアカードを作成する。重み付け評価をして、各ベンダー製品の定量的なスコアを確認するのが目的だ。スコアは、定量化できる多肢選択式の質問、数値または短いテキストによる質問に対して、ベンダーがどのように回答したかに基づいて算出する。次に、自由回答式の質問に対する定性的回答によって、最終候補をさらに絞り込む。この最終候補リストには3社程度のベンダーが残るようにする。
より細かい質問に回答してもらうために、最終候補に残ったベンダーを会議に招く必要がある。ベンダーは通常、こうした会議で重要な差別化要因を示し、場合によっては非公開の情報を提供する。プロジェクトチームは質問を投げ掛け、追加情報を得ることで、最終候補を1社に絞り込む。
最終候補になった製品ベンダーと試験運用を実施するのも一つの方法だ。ほぼ全てのベンダーは試用版の製品、ライセンス、サービスを無償提供している。試験運用をすることで、自社で現在稼働中のシステムや運用プロセスに最も沿った製品を特定しやすくなる。この段階で、製品やサービスの信頼性と品質をテストすることも可能だ。
プロジェクトチームが最終候補を1社に絞ったら、選定した製品を、それを選んだ根拠とともに経営陣に提示する。そのベンダーについて全ての関係者が合意に至ったら、実装に向けて準備を開始する。
本連載が紹介したのは、あくまでもRFP作成プロセスの一例にすぎない。ただし本稿のヒントは、ユーザー企業がコンタクトセンター向けの適切な製品を選定する上で、手堅い出発点になるだろう。
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