医療分野でMicrosoftの「HoloLens 2」の活用が広がっている。特に活用が進むのは医療教育の分野だ。2つの事例でHoloLens 2の実力に迫る。
MicrosoftのMR(複合現実)デバイス「HoloLens 2」の活用が広がっている。前編「航空機エンジニアの“『人工呼吸器』職人化”に『HoloLens 2』はどう貢献したか」は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)の中、人工呼吸器の製造にHoloLens 2を生かす取り組みを取り上げた。中編となる本稿は、医療分野での「HoloLens 2」のさまざまな活用シーンを紹介する。
学生教育に力を入れる英国の医療機関グループ、Blackpool Teaching HospitalsはHoloLens 2を使い、遠隔からの臨床観察を実現。一度に臨床観察できる学生数を増やした。Blackpool Teaching Hospitalsの臨床観察では、学生は医師が患者を診察する様子を、HoloLens 2を使ったビデオストリーミングによって閲覧できる。マイクを通じて医師に質問したり、自分の意見を述べたりすることも可能だ。自宅やカフェなどにいながらも、まるで診察室にいるかのような学習効果が得られる。
Blackpool Teaching Hospitalsのシニア教育テクノロジストであるカロライン・ベニソン氏によると、最近はHoloLens 2の活用を理学療法や作業療法、栄養学、放射線学、足病学に広げている。今後は手術見学にもHoloLens 2を使う方針だ。
医療教育支援を手掛けるGaumard Scientificは医療シミュレーション製品の中にHoloLens 2を取り入れ、製品力を高めている。同社は、Microsoftの2-in-1デバイス(ノートPCとしてもタブレットとしても使えるデバイス)「Surface」や人型ロボットにHoloLens 2を組み合わせ、セットとして商品化。米国ボストンの医療機関やニューヨークの看護師学校に導入している。このセットは例えば出産を再現する機能を持ったロボットを使い、学生が分娩(ぶんべん)を練習できる。その際、学生はHoloLens 2で子宮の中の胎児の状態を観察するといった、リアルな学習が可能だ。
後編は、HoloLens 2の3次元(3D)映像表示機能の活用例と、企業利用の課題を紹介する。
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