NVIDIAによる同業Armの買収は、半導体不足やサプライチェーンの混乱などの中で破談した。何が背景にあるのか。今後の世界に与える影響は。
半導体大手NVIDIAによるArmの買収は、取引が成立することなく終わった。「この契約の破談は、Armが拠点とする英国にとっての勝利、さらにはIntelやAMD(Advanced Micro Devices)といった競合企業にとっての勝利だ」と、調査会社Forrester Researchの調査ディレクター、グレン・オドネル氏は言う。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)はサプライチェーンを脆弱(ぜいじゃく)にして、半導体業界に打撃を与えた。この状況を受けて、「各国政府は製造の世界的均衡に対して敏感になった」とオドネル氏は指摘する。
半導体製造は大半がアジア地域に集中している。国をまたいだサプライチェーンが従来通りに機能しなくなったことで、各国は半導体製造が一極に集中する可能性を嫌った。米国や英国がNVIDIAのArm買収に対して圧力を強めたのもそれが理由だった。
調査会社Deep Analysisの創業者アラン・ペルズシャープ氏によると、この買収案件が最終的に破談になった背景にあるのは、携帯電話からデータセンターまで「Armアーキテクチャ」(Armによるプロセッサの設計)が幅広く採用されていることだ。自らが半導体ベンダーであるNVIDIAがArmを買収すれば、NVIDIAは他社に対してArmアーキテクチャの利用を制限する可能性がある。関連ベンダーはそのリスクを懸念していた。
公正な競争を監督する各国の規制当局は、NVIDIAによるArm買収について厳重に監視した。大型の案件であったことが一つの理由だ。ペルズシャープ氏は「今後の大型案件にも、これほどの監視が及ぶかどうかは論議が分かれる」と評価する。
規制当局からの強力な圧力は、この案件が例外的だった可能性がある。ただし今後の先行きは不透明だ。「大西洋をまたいだ両側で規制に関する溝は拡大している。今後も同様の問題が浮上する可能性はある」(ペルズシャープ氏)
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