相次ぐM&Aで、企業向けのプロセッサ市場の競争は激化している。IntelとNVIDIAに対して、AMDはXilinxの買収で攻勢を掛ける。勝算はあるのか。
AMD(Advanced Micro Devices)はXilinxの買収によって、x86プロセッサの市場におけるIntel、NVIDIAのライバルとして存在感を増すと一部のアナリストはみる。Xilinxの買収で、AMDはGPU(グラフィックス処理プロセッサ)やビデオカード(GPU搭載の拡張ボード)に処理性能を向上させる新たな技術を取り込める。
「『AMDは企業向けサーバ市場でもIntelと戦える』という自信を持つだろう」と、調査会社Nucleus Researchのアナリスト、ニコラス・グリゼル氏は言う。サーバ向けプロセッサ市場でIntelと競争しているNVIDIAにとっても、AMDのXilinx買収は重要な意味を持つ。ただしAMDがIntelやNVIDIAとのシェア争いに勝利するまでには、超えなければならないハードルが幾つかある。
IT製品のバイヤーは総じて、Intel製のx86プロセッサを購入しているのが現状だ。デスクトップPC、ノートPC、データセンターサーバ市場で、AMDは“常に二番手”という存在だったが、近年はより大きな勢力になりつつある。ただし「新しいアーキテクチャが主流になるまでには、一般的に5年はかかる」と、調査会社Moor Insights & Strategyのプレジデント兼プリンシパルアナリスト、パトリック・ムーアヘッド氏は注意を促す。
AMDはGPU分野でも前進しているが、CPU分野ほどではない。AMDは新しいGPUアーキテクチャ「AMD RDNA 2」(開発コードネーム「Big Navi」)に基づく新製品をリリースしたばかりだ。このGPUの投入が、例えば機械学習におけるトレーニング(学習)や推論の市場にどんなインパクトを与えるかは「まだ不明だ」とムーアヘッド氏は語る。ただしAMDによるXilinx買収やNVIDIAによるArm買収の結果、AI技術分野におけるプロセッサの選択肢は広がるだろうと、調査会社Gartnerのバイスプレジデントを務めるアラン・プリーストリー氏は指摘する。
企業のIT部門が処理しなければならないデータ量が増加するほど、データを管理したり処理したりするための新しい技術が必要になる。「企業はGPUを必要としているし、将来は『FPGA』(Field Programmable Gate Array:特定の用途向けにプログラム可能な集積回路)もより広く利用するようになるだろう」(プリーストリー氏)
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
HDDの容量が30TB超になると同時に、ストレージ技術はさまざまな進化を続けている。そうした中でもインタフェースに「SATA」(Serial ATA)を採用したHDDが変わらずに使われ続けている。なぜなのか。
カラオケ業界が直面するデータ増に対応すべく多くのストレージを試し続けた結果、4社27台の製品のメンテナンスに悩まされていたエクシング。この問題を解消すべく、同社は大容量かつコスト削減効果に優れた、新たなストレージを導入した。
メインフレームにおけるデータソート処理は、システム効率に大きく影響する。そこで、z/OSシステムおよびIBM Zメインフレーム上で稼働する、高パフォーマンスのソート/コピー/結合ソリューションを紹介する。
ECと通販システムを統合したパッケージの開発と導入を事業の柱とするエルテックスでは、事業の成長に伴いデータの容量を拡大する必要に迫られていた。そこでストレージを刷新してコスト削減や可用性の向上などさまざまな成果を得たという。
長年にわたり強力かつ安全な基盤であり続けてきたメインフレームシステム。しかし今では、クラウド戦略におけるボトルネックとなりつつある。ボトルネックの解消に向け、メインフレームを段階的にモダナイズするアプローチを解説する。
いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。
「マーケティングオートメーション」 国内売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、マーケティングオートメーション(MA)ツールの売れ筋TOP10を紹介します。
「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。
「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年4月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。