リモート参加者とオフィスからの参加者が混在する「ハイブリッド会議」を快適に進めるには、環境整備が重要だ。ハイブリッド会議における音響設備やオンラインホワイトボードの意義について解説する。
本連載は、今後導入が進むと考えられるハイブリッドワーク(オフィスワークとテレワークを組み合わせた勤務形態)やハイブリッド会議(オフィスからの参加者とリモートでの参加者が混在するWeb会議)を推進する際の課題を紹介してきた(第1回「オフィスワーカーもテレワーカーも不満を抱くWeb会議になってしまう残念な理由」、第2回「テレワーク拡大で『Web会議』を進めやすくなったのはなぜ?」)。
第3回以降は、ハイブリッドワークを取り入れ従業員同士の公平なコミュニケーションを実現するために、専門家が推奨する以下5つのヒントを紹介する。
調査会社Metrigyのプレジデント兼プリンシパルアナリストであるアーウィン・レザー氏は「近いうちに全ての企業の会議室にハイブリッド会議用の設備が導入される」と予測する。
コンサルティング会社Accenture(アクセンチュア)は、Microsoftのユニファイドコミュニケーション(UC)システム「Microsoft Teams」の会議室用デバイス「Microsoft Teams Rooms」と、インタラクティブホワイトボード「Surface Hub」を会議室に設置している。スマートスピーカーとシーリングマイクも配備した。人物検索サイトを運営するPeopleFinderFreeも、ハイブリッド会議への参加を促すためWeb会議システムにお金をかけている。共同設立者のイーデン・チェン氏は「オフィスにいる従業員に、テレワーカーである同僚と同じ空間にいるような印象を与えることが狙いだ」と話す。
近ごろZoom Video CommunicationsをはじめとするWeb会議ツールベンダーは、オフィスの会議室からWeb会議に参加する従業員の顔を、テレワーカーと同じように「1人1つの枠」に入れ、全員の顔をグリッド(格子状)レイアウトで均等に画面表示する機能だ。Metrigyのラザール氏は、このような機能が公平なコミュニケーションを実現するために大いに役立つと考えている。
調査会社Gartner(ガートナー)のシニアディレクターアナリストであるマイク・ファシアーニ氏は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)以降、仮想的なホワイトボードを実現する「オンラインホワイトボード」についての質問を顧客から毎日のように受けるようになったという。会議室のホワイトボードを使う議論のスタイルは、テレワーカーを議論から排除することにつながっていた。理想的なハイブリッド会議には、テレワーカーとオフィスワーカーが共有できる「キャンバス」が必要であり、「デジタルホワイトボード(インタラクティブホワイトボードやオンラインホワイトボードの総称)は、このニーズを満たしてくれる」とファシアーニ氏は話す。
PeopleFinderFreeのチェン氏のチームはハイブリッド会議の際に、RealtimeBoardのオンラインホワイトボード「Miro」を使用している。Miroのおかげで会議中に飛び交った考えやアイデアを集約し、後から簡単にアクセスすることができるようになったという。「オフィスにいる参加者とリモートの参加者がMiroを使って同じ画面を共有することで、公平なコミュニケーションを促進できることが分かった」(チェン氏)
第4回は、公平なコミュニケーションを取るためのヒントとして「Webカメラ、マイクの導入」「従業員の自宅ネットワーク品質の改善」の2つを紹介する。
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