ポーラ・オルビスはクラウド型ERPの「Oracle Cloud ERP」を導入し、会計システムを刷新した。 会計・経営管理情報をグループ全体で一元的に管理する。システム選定の決め手になったポイントは。
化粧品大手のポーラ・オルビスホールディングスは、グループ全体の会計管理を一元化するシステムを2022年1月に稼働させた。同社は業務遂行の基礎情報であるマスターデータをグループ全体で共通化して集約することにより、経営分析による迅速な判断やガバナンスの強化、業務の標準化と効率化を目指す。
同社は会計システムの刷新に当たり、クラウド型ERP(統合基幹業務システム)の「Oracle Fusion Cloud Enterprise Resource Planning」(Oracle Cloud ERP)を採用。エンタープライズデータ管理(企業内データの部門横断的な一元管理)機能を備える業績管理システム「Oracle Fusion Cloud Enterprise Performance Management」(Oracle Cloud EPM)も併せて導入した。
ポーラ・オルビスは、従来オンプレミス(自社が保有または運用する利用形態)の会計システムで会計および経営管理情報を管理していた。この会計システムは導入から約10年が経過し、最新技術の導入や、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によるテレワーク移行など外的環境変化への対処が難しくなっていた。このような背景から、同社は会計システムの刷新を決定した。
複数のERPシステムを比較検討した結果、ポーラ・オルビスはOracle Cloud ERPを採用した。コードベースでクラウドインフラ用に構築された純粋な「SaaS」(Software as a Service)である点、新しい法的要件に応じるための機能や技術を迅速に導入できる点などが採用の決め手となった。他社システムと比較しTCO(総所有コスト)を抑えられる点も同社は評価した。
ポーラ・オルビスは今回の導入で、帳簿体系の最適化とマスターデータの一元化、販売・入金処理の統合を実現した。同社は、世界各国に販売チャネルを持つグループ各社が独自に管理していた会計および経営管理情報を統一して運用することで、グループ全体の業務効率化や迅速な経営判断につなげ、事業成長を図る。
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