「EC2 Instance Connect」を使用する際に発生するエラーの原因として、「IAM」やパブリックIPアドレス関連の不備が考えられる。何が問題なのか。対処するにはどうすればいいのか。
Amazon Web Services(AWS)のSSH(Secure Shell)接続サービス「EC2 Instance Connect」は、仮想マシンサービス「Amazon Elastic Compute Cloud」(Amazon EC2)を使いこなす上で役立つ。ただしEC2 Instance Connectを生かすにはさまざまなエラーを想定し、その対処法を知る必要がある。前編「AWSの『EC2 Instance Connect』がエラーを起こす“あの原因”とは?」はEC2 Instance Connectのエラーを引き起こす主要な4つの原因のうち、1つ目と2つ目を取り上げた。後編となる本稿は、3つ目と4つ目を紹介する。
EC2コンソールまたは一般的なSSHクライアントを使用する場合、AWSへのアクセス管理サービス「AWS Identity and Access Management」(IAM)のプリンシパル(アクションを実行するエンドユーザーやアプリケーション)に、「ec2-instance-connect:SendSSHPublicKey」の権限を付与する必要がある。ec2-instance-connect:SendSSHPublicKeyは、パブリックキー(公開鍵)をEC2インスタンス(EC2で稼働するサーバ)に配信するアクションだ。EC2 Instance Connectのコマンドラインインタフェース(CLI)を使用する場合は、EC2インスタンスを一覧表示するアクション「ec2:DescribeInstances」の権限をIAMプリンシパルに付与することも必要となる。エンドユーザーが、頭文字が「ec2:」のアクションに対するアクセス許可しか持っておらず、割り当てられたIAMポリシーにec2-instance-connect:SendSSHPublicKeyの権限が含まれていない可能性があるので確認が必要だ。
EC2コンソールからEC2インスタンスに接続する場合、対象のEC2インスタンスには、パブリックIPアドレスが割り当てられている必要がある。EC2インスタンスがプライベートIPアドレスしか持たない場合、EC2 Instance ConnectのCLIや通常のSSHクライアントを使用できるが、EC2インスタンスのプライベートIPアドレスにアクセスできるサーバから接続する必要がある。そのためには、EC2インスタンスと同じ「Amazon Virtual Private Cloud」(VPC、AWSの仮想ネットワークサービス)またはVPCピアリング(異なるVPCを接続する仕組み)内にあるEC2インスタンスから接続することになる。
他にも、EC2インスタンスのVPCにアクセス可能なVPN(仮想プライベートネットワーク)クライアントや、プライベート接続を可能にするサービス「AWS PrivateLink」の利用が選択肢になる。いずれの場合も前編で述べたように、対象のEC2インスタンスに、接続するサーバからの受信トラフィックを許可するセキュリティグループルール(セキュリティグループに関連付けられたEC2インスタンスに到達することを許可する仕組み)が設定されていることが必要だ。
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