Armプロセッサ搭載デバイス「Project Volterra」のターゲットは明確だ。あえてターゲットを絞るMicrosoftの戦略は、吉と出るか凶と出るか。専門家の見解は。
Microsoftは人工知能(AI)関連の開発者向け小型デバイス「Project Volterra」を2022年中に市場投入する。Project Volterra はArmアーキテクチャ(Armが設計するプロセッサのアーキテクチャ)のプロセッサを採用する他、人間の脳のような複雑な情報処理を可能にする「NPU」(Neural Processing Unit)を搭載する。Microsoft肝いりのProject Volterraは果、開発者に響くのか。
調査会社TECHnalysis Researchのプレジデント兼アナリストのボブ・オドネル氏によると、Microsoftが過去に提供していたArmプロセッサ搭載デバイスは一般消費者向けだった。そのためスペックは開発者が求める水準ではなく、付随する開発ツールもなかった。Project Volterraは統合開発環境(IDE)「Visual Studio」をはじめとした開発ツールが付属するため、企業で採用が拡大する可能性があるとオドネル氏はみる。
Microsoftは、アプリケーションをArmプロセッサ搭載デバイスに移植するための支援も計画しているとオドネル氏は説明する。「開発者がArmプロセッサ搭載デバイスに乗り換える後押しになり得る」(同氏)
Armプロセッサ搭載デバイスへのアプリケーションの移植は、時間や手間がかかる問題がある。「大量のアプリケーションを移植するのは膨大な作業になる」とオドネル氏は言う。とはいえ低コストや高い電力効率といったメリットに開発者が魅力を感じれば、Armプロセッサ搭載デバイスが開発者の間で普及するのは「間違いない」と同氏は語る。
Microsoftは、Project Volterraの主要ターゲットを人工知能(AI)関連の研究者と開発者に絞っていると説明する。マーケティング支援ベンダーHubSpotのデベロッパーリレーション担当シニアマネジャー、クリス・ライリー氏は「AIシステム開発以外に明確な用途が見当たらない」と指摘する。NPUはAI関連開発の高速化につながる可能性があるが、AI関連の開発に携わらない開発者にとっては、Project Volterra に乗り換える十分な理由にはならないと同氏はみる。
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