AWSで好きな「リージョン」「アベイラビリティゾーン」を選ぶ方法とは?AWSの「リージョン」と「アベイラビリティゾーン」(AZ)の基礎知識【中編】

AWSを利用する際は、適切な「リージョン」「アベイラビリティゾーン」を選択することでデータの通信速度を短縮したり、インフラの冗長性を高めたりできる。その基本的な方法を説明する。

2022年07月25日 08時15分 公開
[Chris TozziTechTarget]

 Amazon Web Services(AWS)は自社クラウドサービスのインフラとして、データセンターを世界中に配置している。それによりインフラの冗長性を高めることができる。

AWSの「リージョン」と「アベイラビリティゾーン」を選択する方法

 ユーザー企業は、地域ごとのデータセンターの集合体である「リージョン」を選択して利用できる。リージョンを構成する1つまたは複数の小規模なデータセンターを「アベイラビリティゾーン」(AZ)と呼ぶ。同一リージョン内の複数のアベイラビリティゾーンで、ワークロード(アプリケーション)を実行することが可能だ。原稿執筆時点で、AWSには26個のリージョンと84個のアベイラビリティゾーンがある。この数は変わる可能性がある(表)。

表 AWSのリージョンとアベイラビリティゾーン数
リージョン名 リージョンコード アベイラビリティゾーン数
米国東部(バージニア北部) us-east-1 6
米国東部(オハイオ) us-east-2 3
米国西部(北カリフォルニア) us-west-1 3
米国西部(オレゴン) us-west-2 4
AWS GovCloud(米国東部) us-gov-east-1 3
AWS GovCloud(米国西部) us-gov-west-1 3
カナダ(中部) ca-central-1 3
南米(サンパウロ) sa-east-1 3
ヨーロッパ(フランクフルト) eu-central-1 3
ヨーロッパ(アイルランド) eu-west-1 3
ヨーロッパ(ロンドン) eu-west-2 3
ヨーロッパ(パリ) eu-west-3 3
ヨーロッパ(ミラノ) eu-south-1 3
ヨーロッパ(ストックホルム) eu-north-1 3
中東(バーレーン) me-south-1 3
アフリカ(ケープタウン) af-south-1 3
アジア太平洋(香港) ap-east-1 3
アジア太平洋(ムンバイ) ap-south-1 3
アジア太平洋(シンガポール) ap-southeast-1 3
アジア太平洋(シドニー) ap-southeast-2 3
アジア太平洋(東京) ap-northeast-1 4
アジア太平洋(ソウル) ap-northeast-2 4
アジア太平洋(大阪) ap-northeast-3 3
アジア太平洋(ジャカルタ) ap-southeast-3 3
中国(北京) cn-north-1 3
中国(寧夏) cn-northwest-1 3

 AWSサービスのリージョンを指定する際は、リージョンコードを用いる。リージョン内の各アベイラビリティゾーンは文字で区別する。例えば「アベイラビリティゾーンA」「アベイラビリティゾーンB」といった具合だ。アベイラビリティゾーンのコードは、リージョンコードの後に特定の文字を付ける形式だ。例えば米国東部(バージニア北部)のアベイラビリティゾーンAのコードは「us-east-1a」となる。

 各リージョンで使用可能なアベイラビリティゾーンを確認するには、AWSの管理画面「AWSマネジメントコンソール」(AWS Management Console)で検索するか、コマンドラインインタフェースサービスの「AWSコマンドラインインターフェイス」(AWS CLI:AWS Command Line Interface)で、「aws ec2 describe-availability-zones --region region-name」というコマンドを実行する。

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