AWSを利用する際は、適切な「リージョン」「アベイラビリティゾーン」を選択することでデータの通信速度を短縮したり、インフラの冗長性を高めたりできる。その基本的な方法を説明する。
Amazon Web Services(AWS)は自社クラウドサービスのインフラとして、データセンターを世界中に配置している。それによりインフラの冗長性を高めることができる。
ユーザー企業は、地域ごとのデータセンターの集合体である「リージョン」を選択して利用できる。リージョンを構成する1つまたは複数の小規模なデータセンターを「アベイラビリティゾーン」(AZ)と呼ぶ。同一リージョン内の複数のアベイラビリティゾーンで、ワークロード(アプリケーション)を実行することが可能だ。原稿執筆時点で、AWSには26個のリージョンと84個のアベイラビリティゾーンがある。この数は変わる可能性がある(表)。
リージョン名 | リージョンコード | アベイラビリティゾーン数 | |
---|---|---|---|
米国東部(バージニア北部) | us-east-1 | 6 | |
米国東部(オハイオ) | us-east-2 | 3 | |
米国西部(北カリフォルニア) | us-west-1 | 3 | |
米国西部(オレゴン) | us-west-2 | 4 | |
AWS GovCloud(米国東部) | us-gov-east-1 | 3 | |
AWS GovCloud(米国西部) | us-gov-west-1 | 3 | |
カナダ(中部) | ca-central-1 | 3 | |
南米(サンパウロ) | sa-east-1 | 3 | |
ヨーロッパ(フランクフルト) | eu-central-1 | 3 | |
ヨーロッパ(アイルランド) | eu-west-1 | 3 | |
ヨーロッパ(ロンドン) | eu-west-2 | 3 | |
ヨーロッパ(パリ) | eu-west-3 | 3 | |
ヨーロッパ(ミラノ) | eu-south-1 | 3 | |
ヨーロッパ(ストックホルム) | eu-north-1 | 3 | |
中東(バーレーン) | me-south-1 | 3 | |
アフリカ(ケープタウン) | af-south-1 | 3 | |
アジア太平洋(香港) | ap-east-1 | 3 | |
アジア太平洋(ムンバイ) | ap-south-1 | 3 | |
アジア太平洋(シンガポール) | ap-southeast-1 | 3 | |
アジア太平洋(シドニー) | ap-southeast-2 | 3 | |
アジア太平洋(東京) | ap-northeast-1 | 4 | |
アジア太平洋(ソウル) | ap-northeast-2 | 4 | |
アジア太平洋(大阪) | ap-northeast-3 | 3 | |
アジア太平洋(ジャカルタ) | ap-southeast-3 | 3 | |
中国(北京) | cn-north-1 | 3 | |
中国(寧夏) | cn-northwest-1 | 3 | |
AWSサービスのリージョンを指定する際は、リージョンコードを用いる。リージョン内の各アベイラビリティゾーンは文字で区別する。例えば「アベイラビリティゾーンA」「アベイラビリティゾーンB」といった具合だ。アベイラビリティゾーンのコードは、リージョンコードの後に特定の文字を付ける形式だ。例えば米国東部(バージニア北部)のアベイラビリティゾーンAのコードは「us-east-1a」となる。
各リージョンで使用可能なアベイラビリティゾーンを確認するには、AWSの管理画面「AWSマネジメントコンソール」(AWS Management Console)で検索するか、コマンドラインインタフェースサービスの「AWSコマンドラインインターフェイス」(AWS CLI:AWS Command Line Interface)で、「aws ec2 describe-availability-zones --region region-name」というコマンドを実行する。
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