1Eの調査によると、テレワークの普及とともに働き方が変わったことで従業員体験価値(DEX)の在り方にも変化が生じている。企業が注目すべき従業員デジタル体験価値(DEX)とは。
従業員デジタル体験価値 (DEX:Digital Employee Experience)ソフトウェアベンダー1E は、企業におけるDEXに関するレポート「Digital Employee Experience (DEX) in the Enterprise: Progress, Patterns, and Gaps」を公開した。DEXは、IT製品が従業員に与える影響や、従業員が仕事でどのようにデジタル技術を利用しているのかに着目した概念だ。
1Eはレポートで、ハイブリッドワーク(オフィスワークとテレワークを組み合わせた勤務形態)において企業のIT部門とDEXが果たす役割を評価している。同社は米国と英国の従業員数5000人以上の企業に勤めるIT意思決定者とナレッジワーカー(知識労働者)の計300人を対象に、回答者自身の経験と考えや、2022年におけるDEXの現状を調査した。
レポートによると、企業のIT戦略に対するアプローチに重要な変化が起きているという。従業員はいまやテレワークで地理的に分散し、かつてないほどデジタル技術に頼って働いている。従業員を適切にサポートするためにはITワークフローの進化が必要だ、と1Eは警告する。
明らかになったのは、81%もの回答者が「幹部が率先してDEXに取り組まない企業は、すぐ競合他社に後れを取る」と回答したことだ。DEX製品の普及は進んでいるが、十分なスピードではないという。回答者の5人に4人は、デジタルトランスフォーメーション(DX)を進めるに当たって、DEXが自社の重要な検討事項の一つだと認識している。
一方IT部門は、効果的なDEXを実現するに当たり、複数の課題に直面しているという。調査では回答者の98%が「ITリソース不足や働き方の変化、技術の制約が自社におけるDEX製品の普及を妨げている」と回答した。
回答者から報告のあったIT関連のトラブルは多岐にわたるが、最も多かったのはアプリケーションやソフトウェアにまつわるものだ。全回答者のうち38%と3分の1以上が、アプリケーションまたはソフトウェア関連のIT障害に、毎日もしくは数日置きのペースで対処していると回答した。全回答者の75%は、「IT関連のトラブルを迅速に解決するだけではもはや不十分だ」と回答した。つまり、従業員が気付くよりも前にトラブルの要因を解消できる先回り型のIT製品やサービスが求められていることが分かる。
IT意思決定者の回答を平均すると、業務自動化によって対処できているIT関連のトラブルや要望、インシデントの割合は26%にとどまった。この事実は、企業がDEXへの技術投資を増やす必要性を示唆しているという。業務自動化の導入により「従業員の生産性が向上した」「IT部門と他部門の従業員の関係改善につながった」と答えた回答者は、それぞれ41%だった。
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