若者ほど「AI」で損をする? 人工知能は仕事を乗っ取る“ターミネーター”かAIは仕事を奪う? いまだ残る懸念は【後編】

「AI技術の活用により、より有意義な仕事に時間を割くことができる」という価値観が浸透しつつある。それでもAI技術に対する懸念は消えておらず、影響を受けるのは若者という見方もある。その理由は。

2022年12月05日 08時15分 公開
[Patrick ThibodeauTechTarget]

関連キーワード

Gartner | 人事


 調査会社Gartnerのアナリスト、クリストファー・ロング氏は同社主催のカンファレンス「Gartner ReimagineHR Conference」で、「人工知能(AI)技術は仕事を改善する機会を与え、従業員がより有意義で戦略的な仕事に時間を割けるようにしてくれる」と語った。だがAI技術が将来的な経済活動や仕事に与える影響についての不安は、依然として残る。最も大きな影響を受けるのは、若手労働者である可能性がある。

若者ほど「AI産業革命」のとばっちりを受ける?

 ロング氏のプレゼンテーションを聴講した出席者の一人で、連邦政府機関を支援する人事アドバイザーのロバート・デイビス氏は、「若手労働者はAI技術の威力と、現行システムの鈍さを目の当たりにしている」と話す。若手労働者はAI技術の浸透により、いずれ働き方が改善されるだけではなく「『今の世の中にある仕事は存在しなくなる可能性がある』と考えている」とデイビス氏は言う。

 AI技術を採用した人事部門は、従業員と共に「AI技術が仕事に与える影響」に対処しなければならない可能性がある。プロフェッショナルサービスベンダーEisner Advisory Groupの人事情報システム担当ディレクター、ジョセフ・マッツォ氏は「AI技術は“ターミネーター”ではない。世界を乗っ取ったりはしない」と強調。日常業務を支援して円滑にするためにAI技術は存在すると主張する。

 マッツォ氏は同カンファレンスで変更管理の重要性について講演。AI技術の導入に当たっては、「AI技術が具体的に業務にどのような影響を与えるか」を従業員に説明するよう、聴衆に促した。フィードバック調査やフォーカスグループ(少人数のサンプルグループ)を利用して、従業員がAI技術を搭載したツールのどこに不安を感じているのか、どの部分に対処が必要なのかを把握することも勧めた。

 AI技術についてマッツォ氏は「あなたの仕事を奪ったりはしない。単純に仕事をやりやすくしてくれて、自分が楽しいと思うことに集中できるようにしてくれるだけだ」と強調する。

TechTarget発 世界のインサイト&ベストプラクティス

米国TechTargetの豊富な記事の中から、さまざまな業種や職種に関する動向やビジネスノウハウなどを厳選してお届けします。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

髫エ�ス�ス�ー鬨セ�ケ�つ€驛「譎擾スク蜴・�。驛「�ァ�ス�、驛「譎冗樟�ス�ス驛「譎「�ス�シ驛「譏懶スサ�」�ス�ス

製品資料 富士通株式会社

持続可能なサプライチェーンの実現に向けて必要なリスクマネジメントとは?

サプライチェーンリスクが多様化する中、いかにして適切なリスクマネジメントを実践し、持続可能なサプライチェーンを構築していくかが大きな課題になっている。課題を解消し、サプライチェーン変革を実現するためのヒントを紹介する。

技術文書・技術解説 富士通株式会社

異なる観点の提言から学ぶ、サステナビリティとビジネスが共存する新未来

早稲田大学ビジネススクールの入山章栄教授と富士通の瀧澤健氏が「サステナビリティへの取り組みと持続可能な成長の両立」をテーマに対談を行った。本資料では、企業の在り方が多角的・本質的な視点で議論された本対談を抜粋して紹介する。

製品レビュー ServiceNow Japan合同会社

「迷路のような社内ポータル」から脱却、HR業務をセルフサービス化する秘訣

従業員にさまざまなサービスを提供するHR業務に、生成AIを導入する動きが加速している。生成AIは、HR業務が抱えている課題をどのように解決し、従業員エクスペリエンス(EX)の品質向上と組織全体の生産性向上に貢献するのだろうか。

製品資料 株式会社日本能率協会マネジメントセンター

人材採用で増える動画選考、AI活用で見極めをどれだけ効率化できるのか

優秀な人材を採用するためには面接が欠かせないが、応募者のAI活用スキルも上がり、書類選考では見極めが難しい。また面接は実施数が多いと人事担当者の負担が大きくなる。そこで取り入れたいのが、動画での応募とAIを活用する方法だ。

製品資料 株式会社インターコム

「働き方改革関連法」対策を再点検、企業が取るべき実務対応とは?

「働き方改革関連法」の施行に伴い、労働時間の適正把握や時間外労働の上限規制など、企業はさまざまな対応を進めてきた。しかし、適切な対応ができているか改めて点検すべき点もある。企業が取るべき実務対応について解説する。

アイティメディアからのお知らせ

郢晏生ホヲ郢敖€郢晢スシ郢ァ�ウ郢晢スウ郢晢ソスホヲ郢晢ソスPR

From Informa TechTarget

「テレワークでネットが遅い」の帯域幅じゃない“真犯人”はこれだ

「テレワークでネットが遅い」の帯域幅じゃない“真犯人”はこれだ
ネットワークの問題は「帯域幅を増やせば解決する」と考えてはいないだろうか。こうした誤解をしているIT担当者は珍しくない。ネットワークを快適に利用するために、持つべき視点とは。

若者ほど「AI」で損をする? 人工知能は仕事を乗っ取る“ターミネーター”か:AIは仕事を奪う? いまだ残る懸念は【後編】 - TechTargetジャパン ERP 隴�スー騾ケツ€髫ェ蛟�スコ�ス

TechTarget郢ァ�ク郢晢ス」郢昜サ」ホヲ 隴�スー騾ケツ€髫ェ蛟�スコ�ス

ITmedia マーケティング新着記事

news017.png

「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。

news027.png

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。

news023.png

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...