クラウドサービスをやめる「脱クラウド」を選ばざるを得なくなる場合、そもそもクラウドサービスに関する理想と現実にギャップが生じていた可能性がある。そのギャップの正体とは。
企業の間では、一度クラウドサービスに移行させたアプリケーションをオンプレミスインフラに戻す「脱クラウド」(オンプレミス回帰)を選択する動きがある。「自社が構築したデータセンターの方が、細かくインフラの監視ができて、システム停止時の再起動や復旧が確実にできると考える企業がある」。ITコンサルティング企業BML Digitalで最高技術責任者(CTO)を務めるジャコ・バミューレン氏は、こう語る。
「企業の経営層は『見えないものは管理できない』と考えることがある」とバミューレン氏は話し、こうした考え方に否定的な見解を示す。「米軍は一部のシステムをクラウドサービスで稼働させている」と同氏は指摘。「軍でさえ必要としていない可視性が、例えば一般消費者向けの事業に必要かどうか、再考する必要がある」と強調する。
「クラウドサービスのダウンタイム(停止時間)は、ある程度受け入れる必要がある」。ストレージベンダーのNetAppでソリューションエンジニアリング担当ディレクターを務めるクリス・ロバーツ氏は、こう指摘する。「それができない企業は、恐らくクラウドサービスの利用には向いていない」(ロバーツ氏)
クラウドベンダーがクラウドサービスの稼働時間を保証する「SLA」(サービス品質保証契約)は、業務に不可欠なアプリケーションを稼働させるインフラとしては不十分な場合があるとロバーツ氏は指摘。「オンプレミスインフラと比較して、クラウドサービスでは必要な稼働時間が確保できない可能性がある」と話す。
第6回は、クラウドサービスを管理するときのオンプレミスインフラとの主な違いを説明する。
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