企業がバックアップを取得する理由の一つは、コンプライアンスの向上だ。これから起きる変化の中で、その取り組みは限界を迎える可能性がある。どういうことなのか。
クラウドサービスの普及やコンテナの活用といった新たな動向を受けて、企業のバックアップはさまざまな変化を遂げてきた。その変化を促すのは、技術的な要因に限らない。コンプライアンス強化も、そのうちの一つだ。企業のバックアップは、これから起きる変化に付いていけるのか。
バックアップツールベンダーは、データ保護に関する規制は徐々に強化されると見込む。その場合、適切なデータを適切な期間にわたって確実に保持するために、企業は自社のデータを細部まで把握する必要がある。
将来的に、レジリエンス(回復力)を高めるためのバックアップ機能は、これまで以上にアプリケーション側に組み込まれるようになると考えられる。それはデータ保護がより堅牢(けんろう)になり、企業のコンプライアンスが向上することを意味する。それと同時に、バックアップツールにかかる負担は軽減する可能性がある。
一方で、企業が保有するデータ量の増加は懸念点だ。ストレージベンダーPure StorageのフィールドCTO(最高技術責任者)を務めるパトリック・スミス氏は、「全てのデータを永久に保管する状態は避けるべきだ」と警告する。
今後5年から10年の間に、企業が扱うデータ量が急速に増大してもおかしくない。企業は法規制への準拠やコンプライアンスの強化、ランサムウェア(身代金要求型マルウェア)攻撃への対策としてバックアップを重視しているが、スミス氏は「データ量が増え過ぎれば、バックアップデータを維持できなくなる可能性がある」と指摘する。
米国TechTargetが運営する英国Computer Weeklyの豊富な記事の中から、海外企業のIT製品導入事例や業種別のIT活用トレンドを厳選してお届けします。
生活者の生成AI利用動向 10代後半はすでに5割近くが経験――リクルート調査
テキスト型生成AIサービスの利用経験者の割合は若い年代ほど高く、特に10代後半はすでに5...
2023年のSNS炎上総数は189件、炎上元の媒体1位は「X」――コムニコ「炎上レポート」
コムニコが「炎上レポート」2023年版を公開しました。
今度の「TikTok禁止」はこれまでとどう違う?
米国ではまたしてもTikTok禁止措置が議論されている。これまでは結局実現に至らなかった...