バックアップツールの重要な動向として、「自律型バックアップ」の登場が挙げられる。これはどのような機能を持ち、具体的に何に役立つのか。
バックアップツールは今後、どのように変化するのか。バックアップツールベンダー複数社が重要な傾向の一つとして挙げるのが、「自律型バックアップツール」の登場だ。
自律型バックアップツールは、人の介入や知識を必要とせずに作業を実行する。バックアップツールベンダーDruvaの最高技術エバンジェリストを務めるW・カーティス・プレストン氏は、その作業には以下が含まれると説明する。
プレストン氏は「完全に自律型のバックアップを実現したツールはまだない」と説明した上で、「ベンダーは今後の需要に適応する必要がある」と話す。
自律型バックアップツール導入の効果として、主に以下の3つが考えられる。
今後はバックアップの取得方法に変化が生じる可能性があるとみるのは、バックアップツールベンダーNAKIVOで製品管理のバイスプレジデントを務めるセルゲイ・セルデュク氏だ。「従来の定期バックアップの手法から、継続的にバックアップを取得する手法へと重点が変わることが見込まれる」と、セルデュク氏は予測する。
バックアップツールベンダーVeritas Technologiesで英国とアイルランド地域担当バイスプレジデントを務めるバリー・キャッシュマン氏も、自律型バックアップツールが重要になると指摘する。キャッシュマン氏は、バックアップツールは今後以下のような業務を自律的に引き受けるようになると説明する。
自律型バックアップツールは、状況やアプリケーションをより正確に認識し、データの重要度や復旧速度の必要性に応じて、データの保存場所を選択するようになる。例えばデータの使用履歴は、重要性を判断するための材料として使える。RPO(目標復旧時点)やRTO(目標復旧時間)も、自律型バックアップツールが設定するようになる可能性がある。
企業はシステムの設計に、マイクロサービス(独立して動作する小規模サービスで構成するシステム設計)やコンテナオーケストレーションツール「Kubernetes」を取り入れつつある。そうしたシステムは人間が手動で管理するには複雑だ。その点でも自律型バックアップツールは重要になると考えられる。
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