IT業界で世界的な人員削減が続き、新規雇用も伸びない状況が続いている。こうした状況を招いた原因とは何なのか。この状況が改善するとすれば、それはいつなのか。
2023年2月にはWeb会議ベンダーZoom Video Communicationsが人員削減計画を発表するなど、大手を中心にIT企業の間で人員削減が相次いでいる。人員削減の背景には何があるのか。これからも人材削減は続くのか。
Zoom Video Communicationsは従業員の約15%に当たる1300人を削減する方針を発表。同社CEOエリック・ユアン氏は、影響を受ける従業員にメールで通知したという。
人員削減に踏み切るIT企業は概して、理由として以下を挙げる。
IT企業の雇用者数は減少傾向にある。雇用市場調査会社Janco Associatesによると、2023年1月にはIT業界で4700人が人員削減の対象になった。対してIT業界団体CompTIA(Computing Technology Industry Association)は、2023年1月のIT企業の削減人員数を2489人と推計する。2つの組織の間で数値が大きく異なるのは、雇用市場アナリストが雇用者数の増減を計算する際に、異なる職業分類を用いることがあるためだ。
Janco AssociatesのCEOビクター・ジャヌライティス氏は、2023年中にはIT企業の雇用者数が増加傾向に転じると推測する。ソフトウェアエンジニアなどのIT人材に対する需要は、依然として強いからだ。ただし経済状況に逆風となるさまざまな要因があることから、新たな雇用のほとんどは2023年の下半期に発生するとジャヌライティス氏はみる。
後編はIT企業ではなく、一般企業のIT部門で雇用が活発化している理由について、専門家の見解を紹介する。
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