Amazon Web Services(AWS)の業績発表から、同社のクラウドサービス事業が伸び悩んでいる状況が伺える。何が原因なのか。現状に対して、同社は今後どう出るのか。
クラウドベンダーAmazon Web Services(AWS)の事業の成長に、陰りが見えている。同社の2023年第1四半期(1月〜3月)の業績から、その状況が浮かび上がった。何が影響しているのか。
AWSの2023年第1四半期の業績は、売上高が約214億ドルで、前年同期の約184億ドルを上回った。売上高成長率で見ると16%増となり、前年同期の売上高成長率37%と比較すると鈍化した。営業利益は約51億ドルで、前年同期の約65億ドルから減少した。
「厳しい経済状況が続く中で、ユーザー企業は支出を抑制しており、その影響を受けた」。AWSの親会社Amazon.comのCFO(最高財務責任者)ブライアン・オルサフスキー氏は、投資家向け情報提供サイト「Seeking Alpha」の取材でそう述べた。
オルサフスキー氏は、「当社の営業およびサポートチームは、ユーザー企業が不確かな経済状況をより良い形でしのげるよう、クラウドサービスのコストを最適化する支援に注力している」と話す。Amazon.comのCEOアンディ・ジャシー氏も、4月に公開した株主向け書簡の中で語った内容と一致する。
ジャシー氏は、大半のユーザー企業はコストの「削減」ではなく「最適化」を検討していると説明する。「ユーザー企業はコスト全体を削減するのではなく、捻出したコストを新たな顧客体験の創出に割り当てることを重視している」(同氏)
AWSが目指すのは、ユーザー企業との長期的な関係性の構築だ。「当社のDNAには顧客志向という考え方が組み込まれており、これをビジネスの原則としている」(オルサフスキー氏)
後編は、Amazon.comのCEOが考えるクラウドサービスの将来動向について解説する。
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