「DaaS」と「SaaS」の良さを損なわない“うまい使い分け方”は?DaaSとSaaSの比較【後編】

現代の企業にとって「DaaS」や「SaaS」といった「as a Service」は欠かせない存在だ。それぞれをどのような場面で併用したり使い分けたりすれば、よりメリットを十分に得ることができるのか。実例とともに紹介する。

2023年11月06日 05時00分 公開
[John PowersTechTarget]

関連キーワード

DaaS | SaaS | クラウドサービス


 「DaaS」(Desktop as a Service)や「SaaS」(Software as a Service)など、市場にはさまざまな「as a Service」が出回っている。こうしたサービスは運用管理やコストの面で企業にメリットをもたらし得る。効果的にDaaSやSaaSを使う方法とはどのようなものか。以下で具体例を挙げながら解説する。

DaaSとSaaSの効果的な使い分け方とは?

 DaaSとSaaSの具体的な利用例としては以下がある。

  • PCでSaaSのアプリケーションを使う
  • DaaSが提供する仮想デスクトップで、SaaSのアプリケーションを使う
  • 企業が自社運用するアプリケーションに、DaaSを介して接続する

 DaaSとSaaSは互いに並行して実行でき、補完する関係にもなれる。

 例えば大規模なオフィスで1000人以上のエンドユーザーがいる企業では、DaaSとSaaSでエンドユーザーのニーズをまかなうのは合理的だ。ただし、特定のカスタムアプリケーションが必要なチームがある場合、IT部門はそのカスタムアプリケーションを独自に配備する必要がある。

 DaaSとSaaSがもたらす効果は、エンドユーザーのインターネット接続状況に左右される可能性がある。インターネット接続が不安定な場所で働くエンドユーザーがいる企業では、IT部門はDaaSやSaaSを避け、自社で運用するサーバでアプリケーションを実行することを検討すべきだ。遠隔地に常時100人のエンドユーザーがいる企業の場合、クライアントOS「Windows」または「macOS」が動作するPCをエンドユーザーに配布し、アプリケーションはSaaSで提供する方法がある。

TechTarget発 世界のインサイト&ベストプラクティス

米国TechTargetの豊富な記事の中から、さまざまな業種や職種に関する動向やビジネスノウハウなどを厳選してお届けします。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

譁ー逹€繝帙Ρ繧、繝医�繝シ繝代�

市場調査・トレンド レッドハット株式会社

「98%が“脱VMware”を検討」の衝撃 仮想インフラ再編の行方とは

Broadcomによる買収後、VMware離れの動きが進んでいる。AWSやRed Hatなどの競合ベンダーは“ポストVMware”の受け皿としてどのような施策を打ち出しているのか。仮想インフラ再編の行方を考察する。

製品資料 SB C&S株式会社

Windows Server 2025が備える、複数の仮想マシンでGPUを共有する技術とは?

Windows Server 2025では、Hyper-Vの利便性が大幅に強化された上に、リソースの拡張性や高可用性の機能に加えてGPUパーティショニング機能も標準搭載している。本資料では、GPUパーティショニング機能の概要や設定方法を解説する。

事例 レッドハット株式会社

コンテナとVMを1つのクラスタ上で実行、米国防総省に学ぶIT運用最適化のヒント

従来型の仮想化プラットフォームへの過度な依存が原因で、柔軟性の低下や、モダナイゼーションの停滞といった問題に悩んでいた米国の国防総省。そこで採用されたのが、コンテナとVMを1つのクラスタ上で実行できる統合プラットフォームだ。

製品資料 レッドハット株式会社

仮想マシンのクラウドシフトとクラウドネイティブ化がもたらす15のメリット

これまで仮想化技術は、システム運用の効率化やコストの最適化などさまざまなメリットをもたらしてきた。しかし現在、仮想化基盤は拡張性やアジリティなどのメリットを享受するためにクラウドシフトが求められている。

事例 INFINIDAT JAPAN合同会社

稼働後3年も障害なし、NTTコミュニケーションズのデータ活用を支えるストレージ

データ分析・利活用のニーズが高まる中、アクションのベースとなるデータも膨大な容量となり、今後も増え続けていく見通しだ。そうなると、各企業はデータ利活用基盤として、信頼性や拡張性の高いストレージを求めるようになるだろう。

From Informa TechTarget

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。

ITmedia マーケティング新着記事

news017.png

「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。

news027.png

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。

news023.png

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...