PoC(概念実証)とは何か。PoCは何のために実施し、どのような場面で役立つのか。いまさら聞けない基礎知識をおさらいし、PoCの重要性を掘り下げてみよう。
アイデアやプロジェクトを実行するに当たって、「成功に必要な基準」を明確にするために、その確認手段を作り出し証拠を示す――。PoC(概念実証)とは、プロジェクトマネジャーが「そのアイデアは達成可能かどうか」「追求する価値があるかどうか」を判断するのに役立つ重要なステップだ。
PoCはどのような場面で役立つのか。PoCの基礎知識をおさらいしよう。
PoCは「Proof of Concept」の略だ。PoCの目的は、プロジェクトや製品に関するアイデアのうち、まだ形になっていないものについて、実現可能性を実証することにある。生産プロセスに入る前に実用性を評価するために取り組むことが一般的だ。
どの業種でもリーダーは、何らかのひな型を使ったPoCの提案書を基に、アイデアやプロジェクトの事業価値を評価する。その上で将来的にボトルネックになり得る問題を特定し、同僚からフィードバックを求め、なぜそのアイデアを推進すべきなのかを利害関係者に説明する。
PoCと「プロトタイプ」という言葉は同じ意味で使われることがあるが、この2つには重要な違いがある。PoCは製品やコンセプトのアイデアを示すものだ。一方プロトタイプは、製品のレイアウト、デザイン、機能が、実際にどのような構成要素を持ち、どのように動作するのかを示すモデルを指す。
プロジェクト関係者にとってPoCは、コンセプトの可能性を探り、ビジョンと成果物の間のギャップを特定する機会を提供するものだと言える。
PoCに関する書類の決まりごとは、映画製作、医薬品開発、輸送など、あらゆる業界にあり、記載ルールや項目、条件は分野ごとに異なる。例えばIT系スタートアップ(創業間もない企業)の典型的なPoCでは、財務的な実現可能性を証明しなければならない。だが通常は、市場の需要を証明したり、最適な生産手段を決定したりする必要はない。
ソフトウェア開発のPoCでは、開発中のソフトウェアのプロトタイプを顧客に提供する前にテストをする。ソフトウェア開発のPoCは、開発を妨げる技術的要件や物流上の問題点を明確にするのに役立つはずだ。
後編は、PoCの基本的なステップと、各社が公開しているPoCのノウハウを紹介する。
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