「オブジェクトストレージ」の利点とは? オブジェクトとは何か?3種類のストレージを比較【第3回】

ストレージの一種であるオブジェクトストレージ。どのような仕組みで、何がメリットとデメリットなのか。オブジェクトストレージの基本を知るための要点を紹介しよう。

2024年01月14日 10時00分 公開
[Brien PoseyTechTarget]

関連キーワード

ストレージ | データ | インフラ


 ブロックストレージ、ファイルストレージ、オブジェクトストレージの種類の中から用途に最適なストレージを選ぶには、まずはそれぞれのメリットとデメリットを把握することが重要だ。今回はオブジェクトストレージについて具体的に解説する。

「オブジェクトストレージ」のオブジェクトとは? その利点と注意点

 第2回で取り上げたファイルストレージと同様に、オブジェクトストレージはファイルやフォルダの保存に使用される。そのため、両者は一見すると似ている。しかしオブジェクトストレージの仕組みはファイルストレージとは異なる。

 オブジェクトストレージはデータを「オブジェクト」という単位で保存する、非階層的なシステムだ。オブジェクトは一意の識別子によって参照される。そのため、オブジェクトストレージはほぼ無限のオブジェクトを収容でき、拡張性に優れている。各オブジェクトは“自己完結型”だ。つまりファイルやメタデータ(データに関する情報を提供するデータ)、識別子は全てオブジェクトの一部として保存される。

 スケーラビリティ(拡張性)がオブジェクトストレージの主なメリットとなる。メタデータを豊富に扱えることや、データの冗長化がしやすいこと、地域をまたいだデータにアクセスしやすいこともメリットだ。

 オブジェクトストレージの注意点は、API(アプリケーションプログラミングインタフェース)を通じてデータを操作する必要があることだ。そのために、通常はセキュアな通信プロトコル「HTTPS」(Hypertext Transfer Protocol Secure)が使われる。オブジェクトストレージから他の種類のストレージにデータ移行するのが難しい場合があることも注意点となる。


 第4回は、ブロックストレージ、ファイルストレージ、オブジェクトストレージのそれぞれのアクセス方法を紹介する。

TechTarget発 世界のインサイト&ベストプラクティス

米国TechTargetの豊富な記事の中から、さまざまな業種や職種に関する動向やビジネスノウハウなどを厳選してお届けします。

ITmedia マーケティング新着記事

news061.png

高齢男性はレジ待ちが苦手、女性は待たないためにアプリを活用――アイリッジ調査
実店舗を持つ企業が「アプリでどのようなユーザー体験を提供すべきか」を考えるヒントが...

news193.jpg

IASがブランドセーフティーの計測を拡張 誤報に関するレポートを追加
IASは、ブランドセーフティーと適合性の計測ソリューションを拡張し、誤報とともに広告が...

news047.png

【Googleが公式見解を発表】中古ドメインを絶対に使ってはいけない理由とは?
Googleが中古ドメインの不正利用を禁止を公式に発表しました。その理由や今後の対応につ...