企業がクラウドサービスを使うことは当たり前になった。ネットワークチームはクラウドサービスの利用を前提としてネットワークを設計する必要がある。
クラウドコンピューティングとSaaS(Software as a Service)の出現は、IT業界に変革をもたらし、その影響はネットワークにも波及した。世界中のどこからでもリソースに接続し、アクセスできるという利便性があることから、企業はクラウドコンピューティングとSaaSを積極的に取り入れた。
企業はクラウドサービスを活用して、より多くの利益を生み出したいと考えている。クラウドサービスを活用する際、考慮すべきネットワークのポイントは複数ある。まずは「帯域幅」と「レイテンシ」とは何かについて解説する。
帯域幅とは、一定時間内にネットワークの2地点間で転送できるデータ量を意味する。レイテンシとは、データを転送する際、転送要求を出してからデータが届くまでの待ち時間のことだ。
チームが帯域幅とレイテンシの要件を最適化すれば、クラウドサービスを効率的に提供できる。具体的には以下のメリットがある。
アプリケーションの種類によっては、膨大な量のデータをリアルタイムで処理する必要がある。この要件は、金融や医療などの業界で一般的だ。しかし、帯域幅とレイテンシを最適化したアプリケーションを開発して展開することは簡単ではない。
クラウドサービスやクラウドサービス内部のアプリケーション利用時の帯域幅とレイテンシを最適化するためには、ユーザーの需要に応じてリソースを割り当てる仕組みを設定しておく必要がある。
その他の選択肢は、「コンテンツデリバリーネットワーク」(CDN)を利用することだ。CDNは、CDNベンダーが各地に用意したサーバを結ぶネットワークだ。通常、専用のプライベート回線で接続している。
サーバにはコンテンツが一時保管してあり、ユーザーが要求したコンテンツを配信する。企業は自社のクラウドサービスから直接ユーザーに提供するより、迅速に配信できる可能性がある。
第2回はクラウドサービスを利用する際のセキュリティについて解説する。
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