ハードウェア面におけるストレージの技術進化が停滞する中でも、専門家は既存技術の改善にも目を向けるべきだと指摘する。例えば「NVMe」に関する問題がある。
ストレージのハードウェア面のイノベーション(技術革新)は足踏み状態にある。ただし革新的技術の登場がまだ先になったとしても、「既存のハードウェアにも改善の余地がある」と、調査会社IDCでアナリストを務めるデイブ・ピアソン氏は語る。その一つが、ストレージインタフェース「NVMe」(Non-Volatile Memory Express)にある。
「データセンターの集約率や管理性の向上といった観点から見れば、既存の製品や技術には成長の余地がある」とピアソン氏は説明する。
ストレージベンダーiXsystemsで製品管理および事業開発部門のシニアバイスプレジデントを務めるモーガン・リトルウッド氏も、同様の見方をしている。特にリトルウッド氏が「効率的ではない」と見ているが、「SSDの大規模ストレージアレイにおけるNVMeの使い方」だ。大量のデータを扱う場合、データの転送や管理において、改善が求められる非効率があるという。
企業のデータセンターでは、NVMeが標準的なインタフェースとして使われるようになった。リトルウッド氏によれば、NVMe接続のSSDは60TB規模の大容量が実現するのに伴ってデータ転送の効率も改善してきている。「NVMe接続のストレージにおける大容量データの管理は重要な課題になりつつあり、その主な役割はソフトウェアが担っている」(同氏)という。
「ITの他分野で起きているイノベーションに後れを取らないためにも、変わりゆくユーザー企業の需要に応え続けるためにも、ハードウェア面のイノベーションは依然として必要だ」。ITコンサルティング会社Dragon Slayer Consultingの創設者兼プレジデントのマーク・ステイマー氏はそう語る。
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