Google Cloud Storageの料金はさまざまな要因で変化する。コストを抑えるにはどのようにすればよいのか。ベストプラクティスを紹介する。
Google のクラウドストレージ「Google Cloud Storage」(以下、Cloud Storage)は、複雑なオプションを選ぶとコストが急激に上がる可能性がある。初期段階でニーズに合わせた設定をしておくことが大切だ。
Google Cloud Storageを利用する際にどのようなことに気を付ければいいのか。4つのベストプラクティスを解説する。
Cloud Storageでは、トラフィック(ネットワークを流れるデータ)の消費量が料金に影響を与えるため、次のような指標を基に予測を立てることが重要だ。
Cloud Storageで地理的に異なるデータセンターにデータを分散や複製して冗長化する場合、同じ大陸内のリージョン2つを指定する「デュアルリージョン」か、異なる大陸をまたいで2つ以上のリージョンで冗長化する「マルチリージョン」を選べる。
どちらの方法でも、最低100マイル以上離れたデータセンターでデータを保存できる。データを保存する場所は障害発生時の復旧時間目標(RTO)に影響するため、特に機密データやビジネス上の重要なデータを扱う場合は考慮する必要がある。
各方式の料金差は一見するとわずかだが、ストレージ容量が増加するとコストも大幅に増加する可能性があるため、確認しておく必要がある。
例えば、北米のリージョンにおいてストレージクラス(メニュー)に「Standard」を指定した場合、単一リージョンだと1GB当たり月額0.020~0.023ドルとなる。デュアルリージョンの場合は月額0.022~0.0506ドルだ。マルチリージョンでは一律で月額0.026ドルとなっている。
保管するデータは、ユーザーが頻繁にアクセスする「ホットデータ」なのか、コンプライアンス(法令順守)目的の「アーカイブデータ」であるかの理解が重要だ。アーカイブデータはアクセス頻度が比較的低いために、可用性が低いストレージクラスを選ぶことでコストを抑えられる可能性がある。
可用性を確保するには、Google Cloud Storageのロケーション設定で、デュアルリージョンまたはマルチリージョンを検討するといい。これにより、ストレージパスを変更せずにいつでもデータにアクセスでき、RTOを抑えることができる。
Cloud Storageでは、バケットやオブジェクト、ネットワークの使用量、API(アプリケーションプログラミングインタフェース)のリクエスト(処理要求)などに割り当てとリクエストの制限が設けられている。
これらはストレージネットワーク全体でのデータのボトルネックを防ぎ、スムーズな運用と良好なパフォーマンスを保証するためのものだ。ユ―ザーは一部領域で割り当てを増やせるが、リクエスト制限の緩和はできない。
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