Linuxで複数ファイルのバックアップに使える「tar」コマンドとはLinuxコマンド「tar」の使い方【中編】

Linuxでは「tar」コマンドを使うことで、アーカイブファイルの作成や復元ができる。コマンドを使いながら、アーカイブファイルを作成する手順を紹介する。

2024年03月03日 08時30分 公開
[Damon GarnTechTarget]

関連キーワード

Linux | OS | バックアップ | 運用管理


 OS「Linux」では、「tar」コマンドを使うことで複数のファイルを1つにまとめたアーカイブファイルの作成や、復元ができる。ここではtarコマンドを使いながら、ファイルのアーカイブを作成する手順を紹介する。

Linuxで複数ファイルをバックアップする手順

 ここでは、お使いのLinuxにtarがインストールされていることを前提にしている。

 まず以下のコマンドを実行して、バックアップと復元の作業対象となるファイルを幾つか作成する。

$ cd ~
$ mkdir projects
$ cd projects/
$ touch file1.txt file2.txt file3.txt
$ echo "File 1 Contents" > file1.txt

 これでホームディレクトリ(ユーザーごとに割り当てられるディレクトリ)に「projects」という名前のディレクトリができ、そこに3つのテキストファイルが配置されているはずだ。

 次の表は、アーカイブを作成する際の主なtarオプションを示している。

オプション オプションの説明
-c アーカイブファイル(複数のファイルをまとめたもの)を作成する。これはバックアップコマンドだと考えてほしい。
-v tarコマンドが完了したときに出力を返す。これは必須ではないが、コマンドがどのファイルをアーカイブにコピーしたのかを確認するのに便利だ。
-f アーカイブファイルを指定する。これは必須。
-r 既存のアーカイブにさらにファイルを追加する。

 projectsディレクトリにいることを確認し、以下のコマンドを入力する。これで「backup.tar」というアーカイブが作成される。

$ tar -cvf backup.tar *.txt

 このコマンドは、「backup.tar」というアーカイブを作成し、拡張子「.txt」を含む全てのファイルをコピーし、コピーしたファイル名を表示するためのコマンドだ。これには上の表の「-v」オプションが入っているが、このオプションなしでも問題なく動作する。

 「-r」オプションは、既存のアーカイブにファイルを追加するためのものだ。例えば3つのファイルを含むアーカイブを作成した後で、4つ目のファイルを忘れていたことに気付いたとしよう。その場合、-rオプションを使うことで4つ目のファイルを追加できる。以下のようにコマンドを入力する。

$ touch file4.txt
$ tar -rf backup.tar file4.txt

 時折、特定のファイルをアーカイブに含めないようにしたい場合がある。その場合は--excludeオプションを使用することと、指定したファイルがアーカイブの対象外になる。

 ここまでに、アーカイブを作成し、対象のファイルをコピーするところまでの作業ができた。


 次回は対象のファイルが消失したことを想定して、復元のコマンドによる操作方法を紹介する。

TechTarget発 世界のインサイト&ベストプラクティス

米国TechTargetの豊富な記事の中から、さまざまな業種や職種に関する動向やビジネスノウハウなどを厳選してお届けします。

ITmedia マーケティング新着記事

news099.jpg

CMOはつらいよ マッキンゼー調査で浮かび上がるAI時代の厳しめな業務実態
生成AI、研究開発、価格戦略……。慢性的なリソース不足の中でマーケターの業務範囲はま...

news017.jpg

「リンクレピュテーション」とは? SEO対策や注意点もわかりやすく解説
「リンクレピュテーションって何のこと?」「なぜ重要?」「リンクレピュテーションを意...

news213.jpg

MAツール「MoEngage」 DearOneが日本語版UI提供へ
NTTドコモの子会社であるDearOneは、AI搭載のMAツール「MoEngage」の日本語版を2025年1月...