「ウオーターフォール」ではなく「スクラム」との相性が良い開発とは?2大開発手法を比較【中編】

アジャイル開発の代表的なフレームワークである「スクラム」は、どのような開発チームやプロジェクトに適するのか。スクラムの具体的な流れと併せて解説する。

2024年03月13日 07時00分 公開
[Darcy DeCluteTechTarget]

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アジャイル | 開発プロセス


 開発手法は、開発チームやプロジェクトの性質に合わせて適切なものを選ぶ必要がある。企業の開発では従来、上流工程から下流工程へと順番に開発を進める「ウオーターフォール」型開発を採用するのが主流だった。

 近年、企業は開発スピードを重視するようになった。そうした企業を中心に導入が進むのが、小規模な変更を短期間のうちに繰り返す「アジャイル」型開発だ。

 アジャイル開発の代表的なフレームワーク(基本的な考え方や進め方)として「スクラム」がある。スクラムはソフトウェア開発でよく用いられる。一方でスクラムのルーツは製造業にあり、製造業や建設業などの分野でもスクラムの適用が奨励されている。

 スクラムは、次のような特徴を持つ開発チームやプロジェクトと相性が良い。

「スクラムと相性が良い開発」はこれだ

  • モチベーションがあり、自己管理ができる少人数で構成された開発チーム
  • 開発内容や要件が頻繁に変更となるプロジェクト
  • クライアントはビジョンを持っているものの、製品の詳細を明確化したり、把握したりできていない
  • クライアントが開発プロセスへの積極的な関与を望んでいる
  • 開発チームの自己管理や自己組織化について、経営陣が信頼を置いている

 スクラムでは、製品の完成像が決定していない状態でも開発に着手する。開発チームは着手から1カ月以内に機能する製品を作り上げ、クライアントに共有する。クライアントは製品を定期的に検証することで、要件を明確化する。開発チームはクライアントからフィードバックを受けた後、改善点を製品に反映するプロセスを繰り返す。

 例として、モバイルアプリケーションの開発プロジェクトを見てみよう。ログインボタンを画面上部に配置したところ、「この位置ではログインボタンを押しにくい」とクライアントからフィードバックがあったとする。開発チームはこの意見に迅速に対処し、次のスプリント(短く区切った開発期間)までにログインボタンの位置を変更する。


 次回は、ウオーターフォール型からアジャイル型への移行について解説する。

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