人工知能(AI)技術の利用が広がる中で、調査会社Forrester Researchは“AI熱”を抑制する必要があると指摘する。背景にあるのは、ハードウェア調達におけるある変化だ。
人工知能(AI)技術の利用が広がる中で、GPU(グラフィックス処理装置)など、AI技術を活用するためのハードウェアの需要が高まっている。調査会社Forrester Researchはそうした状況に冷や水を浴びせるように、ユーザー企業は“AI熱”を抑制する必要があると指摘する。AI技術利用や、ハードウェアの調達において何が起きているのか。
Forrester Researchによれば、AI技術によるデータ処理には膨大な計算リソースが必要になり、特にGPU(グラフィックス処理装置)が欠かせない。同社によると、クラウドベンダーをはじめとしたITベンダーがGPUの調達に苦労している。ユーザー企業は、必要なハードウェアを入手するまでに最大1年待たなければならないこともあると同社はみている。
大規模なデータデンターを運営するクラウドベンダーやハードウェアベンダーはAI技術の需要に応えようとしているものの、Forrester Researchによればその支援のペースは一部で遅くなっている。「データセンターを拡大しようとしても、そのためのインフラが十分に手に入りにくい状況が見られる」(同社)
Forrester Researchはユーザー企業に対し、AI技術のインフラを調達しにくい状況があることを踏まえて「スモールスタート」を推奨している。まずはシステムの一部にAI技術を取り入れてノウハウを蓄積しておけば、半導体供給が回復するのに合わせて活用の規模をうまく拡張できるようになる。
2024年の市場動向について、端末の近くでデータを処理する「エッジコンピューティング」が広がり、そこでもAI技術の利用が進むとForrester Researchは予測する。同社によれば、Advanced Micro Devices(AMD)やNVIDIAなどの半導体製品ベンダーは、エッジコンピューティングを視野に入れた製品開発に注力している。次の大きな変革が起きる可能性は、クラウドサービスよりエッジコンピューティングにあるとForrester Researchはみている。
半導体不足はAI技術の利用に限らず、一般的なPCやサーバの調達にも影響を及ぼしている。Forrester Researchはユーザー企業に対し、必要に応じてハードウェアを補充するのではなく、将来的な需要を見込んでPCやサーバを十分に確保しておくことや、既存のハードウェアの利用を可能な範囲で引き延ばすことを勧めている。
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